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準々決勝負傷交代、準決勝出番なしも決勝出場に意欲…近江FW荒砂洋仁「球際を負けずに行けば勝てる」

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(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.6 選手権準決勝 近江 3-1 堀越 国立]

 この日のベンチ入りは難しいのではないかと思われていた。そして少なくとも朝食の時点では、前田高孝監督からも、「今日はメンバーを外れる」と言われていたという。しかし近江高(滋賀)のメンバー表では、FW荒砂洋仁(3年)のベンチ入りが発表されていた。

 今大会初戦からスタメン出場を続けていた荒砂だが、4日に行われた準々決勝の神村学園高戦の前半22分に負傷交代。1年ほど前に負った右膝じん帯損傷の影響から続く痛みが再発したためだった。

 しかし同試合では代わりに出たMF山本諒(2年)の2ゴールの活躍もあって大熱戦を勝利すると、この日も仲間たちが躍動。前半だけで3得点を決める強い勝ち方で、決勝へと進出した。

 宿舎を出発する直前にベンチ入りを伝えられたことで驚いたという荒砂も、すぐに試合に集中。出番こそなかったが、試合前には自分の代わりに先発したMF廣瀬脩斗(2年)に声をかけて緊張を和らげるなど、裏方の仕事もしっかりとこなした。

 決勝の日は再び中1日でやってくることになる。出場は問題ないと話す荒砂も「特別に決勝ということではなく、これまでと一緒の気持ちで臨みたい」と闘志を燃やす。「青森山田はフィジカルが凄いと思うので、そこで負けないようにプライドを持って戦いたい。球際とか負けずに行ったら、勝てるんじゃないかなと思っています」。

 もう波乱とは言わせない。インターハイ王者の明秀日立、J内定選手を擁す日大藤沢や神村学園と注目校を次々と倒してきた今大会の台風の目が、頂点まで駆け上がる。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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