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驚異の波状攻撃“パイレーツサッカー”3得点! 近江が“セクシー野洲”以来となる滋賀県勢2度目の優勝王手、決勝で青森山田と激突

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近江高が初の決勝進出

[1.6 選手権準決勝 近江 3-1 堀越 国立]

 第102回全国高校サッカー選手権は6日、準決勝を行った。国立競技場で行われた第2試合は近江高(滋賀)と堀越高(東京A)が対戦し、近江が3-1で勝利。滋賀県勢では2005年度に“セクシーフットボール”で一世を風靡して初優勝した野洲高以来となる3度目の決勝進出を果たした。県勢2度目の日本一を目指し、8日の決勝で青森山田高(青森)と対戦する。

 近江は2020年度、22年度ともに2回戦敗退。3度目の選手権は3-4-2-1の布陣で快進撃を続ける。準々決勝から先発1人を変えてMF廣瀬脩斗(2年)が起用された。GKは山崎晃輝(2年)、3バックは左から廣瀬、DF西村想大(3年)、DF安田旭(3年)。2ボランチはMF西飛勇吾(3年)とMF川上隼輔(3年)。左WBはCB起用が続いていたDF金山耀太(3年)、右WBはMF鵜戸瑛士(3年)。2シャドーはMF浅井晴孔(3年)とMF山門立侑(3年)。1トップにFW小山真尋(3年)が入った。

 堀越は20年度のベスト8を越える初4強を果たし、初めて国立競技場のピッチを踏んだ。4-3-3の布陣を敷き、GKはGK吉富柊人(3年)、4バックは左からDF瀬下琥太郎(2年)、DF渡辺冴空(2年)、DF森奏(2年)、DF竹内利樹人(2年)。アンカーにMF渡辺隼大(2年)で、左インサイドハーフにMF仲谷俊(2年)、右インサイドハーフにMF吉荒開仁(3年)。前線3人は左からFW伊藤蒼太(3年)、FW高谷遼太(3年)、FW中村健太(3年)となった。

 序盤は堀越がボールを握っていたが、均衡を破ったのは近江。前半11分、山門が中盤でドリブルを仕掛けるとPA内でブロックに遭う。しかしこぼれ球がPA右へ。待ち構えた鵜戸が右足シュートをクロスバーに当てながらゴールに叩き込んだ。

 さらに近江が畳みかける。前半13分、金山がドリブルでボールを運んで敵陣に進入。鵜戸、西とシュートを放ち、最後は山門が押し込んだ。2-0と一気に点差を着けると、同22分には再び波状攻撃。小山、山門のシュートは阻まれるも金山がダメ押しの3点目を挙げた。

 立て続けの失点で堀越はミスが続く。近江は標ぼうする「ビーパイレーツ(海賊になれ)」のごとく、すばやいボール奪取から鋭いカウンターを仕掛け続けた。そのまま前半は近江の3点リードで折り返した。

 堀越はハーフタイムに2枚替え。吉荒と仲谷を下げてMF谷口悠成(1年)とMF三鴨奏太(1年)を投入する。近江は後半4分、廣瀬に代えてMF川地一颯(3年)が出場した。

 流れが変わらない堀越は後半16分、伊藤からFW高木琉世(3年)に代える。27分には竹内を下げてDF森章博(2年)がピッチに入った。拮抗状態に持ち込むも、堀越は決定機を作りだすまでには至らない。

 それでも堀越は後半アディショナルタイムに高木がPKを獲得。PKキッカーを務めた中村が決め切り、1-3と点差を縮めた。

 だが、試合はそのまま終了。快進撃が止まらない近江は3-1で初の決勝進出。05年以来となる滋賀県勢2度目の日本一に王手をかけた。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

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