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「上手いし、強烈」近江の10番金山と対峙した青森山田DF小林拓斗「ひるんだら止められない」

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試合終了の瞬間、顔を覆う青森山田DF小林拓斗(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.8 選手権決勝 青森山田 3-1 近江 国立]

 試合後はピッチに膝をついて感極まった。両手で顔を覆い、そのままうずくまった青森山田高(青森)DF小林拓斗(3年=青森山田中出身)の両眼には光る涙が浮かんでいた。

 不動の右サイドバックとして全5試合にフルタイム出場。中学入学と同時に大阪から青森へ渡り、青森山田中からの6年間が日本一という最高の幕切れで終わった瞬間だった。「自分が(青森山田に)入ったときから夢見てきた景色だった。たどり着いたんだなという実感が沸いてきました」。試合後の取材エリアで背番号2はそう微笑んだ。

 近江は後半開始からDF金山耀太(3年)を左ストッパーから左ウイングバックにポジションを上げ、反撃を狙ってきた。相手のキーマンに対峙したのが小林だ。「10番(金山)は上手いし、強烈だった。でも、ひるんでいたら止められない。自分も強烈なサイドバックとして止められたと思う」と胸を張る。

 後半立ち上がりの2分に追いつかれこそしたが、高い位置からのプレッシングで小林らサイドバックが相手のウイングバックを抑え、カウンターへ。近江の波状攻撃に飲み込まれることなく、逆に押し返して相手の勢いを断ち切った。後半15分にGKからのロングキックで勝ち越すと、同25分には狙い通りのカウンターで3-1。終わってみれば失点以降は相手にシュートを打たせず、青森山田の堅守が近江の快進撃を止めてみせた。


(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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