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姉はなでしこJ、幼馴染の三笘薫は筑波大で先輩に…三浦雅人「身近にいい存在がいる」

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左下がDF三浦雅人

[12.11 インカレ2回戦 中京大2-2(PK5-4)筑波大 AGFフィールド]

 あっけない幕切れだった。

 筑波大にとっての初戦の相手は、1回戦で難敵・福岡大を下して勝ち上がってきた中京大。後半4分までに2点のビハインドを背負う苦しい展開だったが、FW和田育(4年=阪南大高)とMF竹内崇人(2年=広島ユース)の連続ゴールで同点に追いつき、PK戦に持ち込んだ。

 しかし5人目が失敗した筑波大に対し、中京大は全員が成功。DF三浦雅人(4年=東京Vユース)にとっての大学サッカーも、この瞬間に終わった。

「4年間を振り返るとあっという間だったけど、やっていると苦しいことも長く感じる時間も多かった。ただ一番はサッカー以外のところ。真剣にサッカー以外ことをやれる仲間が揃っていて、考え方や価値観を生み出せた。人間として成長できた4年間だったと思います」

 サッカーを始めた理由を聞かれても「記憶にない」と答える。とにかく小さい頃からボールを蹴っていたという。サッカーが大好きな4人兄弟の3番目。「兄も日体大までサッカーをしていました。弟は中2ですけど、サッカーをしています」。そして3歳年上の長姉の成美は、日本女子代表(なでしこジャパン)に選ばれる選手にまでなった。

「姉はサッカーに対してのストイックさが本当に凄い。身近にいい存在がいると感じている。お互いに上手く行っている時も行っていない時もあるけど、お互いの活躍は活力になっている。サッカー選手としても、兄弟としてもいい関係でいると思います」

 そしてもう一人、大きな影響を受ける選手がいる。今回のワールドカップで日本中に知名度を広げた三笘薫は幼馴染。お互いの兄同士が同い年で同じ幼稚園に通い、さらに同じく同い年の姉と三笘も同じ幼稚園に通ったことで家族ぐるみの付き合いになった。「家も歩いて10分圏内。ずっと同じ公園でサッカーをやっていました」。

 また3歳年上の三笘とは、大学で先輩後輩の間柄になった。三浦の大学デビュー戦となった19年の関東大学リーグ1部の流通経済大戦は、代表遠征に選ばれて不在だった三笘の代役での出場だった。

 今でも何かあれば連絡を取り合うという。「日本、世界で活躍するトッププレーヤーになっている。真似しようとして出来る選手ではないし、ピッチ外の姿もリスペクト出来る存在でした。今回もあそこまで世界を相手に違いをみせてくれた。少し心を動かされたなと思います」。

 勝ち上がれば家族が応援に来てくれる予定があったというが、それも叶わなかった。そして卒業後の自身の進路もまだ決まっていない。「大学4年間で学んだことは繋げないといけない。筑波でやった意味をいろんな形で証明したい」。ここで終わった悔しさは、今後の人生に必ず活かす。

(取材・文 児玉幸洋)
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