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[MOM848]新潟医療福祉大MF野開ディラン(4年)_みなぎる自信…後半AT同点弾、PK戦5人目キッカー挙手で全国初4強

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新潟医療福祉大MF野開ディラン(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 インカレ3回戦 新潟医療福祉大1-1(PK5-4)中京大 相模原ギオンスタジアム]

 初の全国4強入りを決めたのは、メンタルの強さだった。新潟医療福祉大中京大とのPK戦を制して全国大会初のベスト4。MF野開ディラン(4年=札幌大谷高)は自らPK戦の5人目のキッカーを立候補し、「絶対に決められると思って臨んだ」と豪快シュートで勝利を掴んだ。

 野開は足首の負傷を抱えながらも、2回戦で途中出場。「途中から入っていいプレーをできれば、次の試合はスタメンで出られると思っていた」(野開)。勝利に貢献すると、3回戦の先発メンバー入りを自力で掴む。しかし、中京大の巧みな個人技に圧され、前半17分に失点。「相手は細かくつないでドリブルに対応できなかった。完全にあっちのペースに持っていかれた」。前半45分間は追いかける展開となった。

 0-1で迎えた後半は、ハーフタイムの修正から野開を中心にセカンドボール奪取で攻勢を強める。それでも同点ゴールは生まれない。終盤にかけてチャンスを作り始めると、後半アディショナルタイムに待望の同点ゴールが生まれる。右CKのこぼれ球はPA内で敵味方合わせて混戦。「ファーに詰めていたらちょうど来た。よくこぼれてきた、よく競ってくれた」。野開が体勢を崩しながらゴールに押し込み、1-1と試合を振り出しに戻した。

 試合は延長戦でも決着がつかず、PK戦に突入する。両ベンチではチームが円になりながら作戦を立てる。医福大はPKキッカーを挙手制で決めた。GK桃井玲(2年=桐光学園高)が中京大の3人目のキッカーをセーブ。医福大は4人目まで決め切り、最後のキッカーが決めれば勝利となる。勝敗を決する5人目に手を挙げていたのは野開だった。「ヒーローになると。(最後は)5番目に来ると思っていた」。豪快にシュートを決め切り、勝利を確定させた。

「点を決めていたので、自信しかなかったです」。後半アディショナルタイムの同点ゴールが、野開に自信を与えた。W杯でも話題になったPKの妙。野開は「メンタルですね」と秘訣を明かす。「自分も外すときはメンタルがよくないとき。決めるときは、絶対に決められると思って臨むとき。きょうも絶対に決められると思って臨んだ。メンタルです」。

 歴史を作る渾身シュートとなった。医福大は全国大会で悲願のベスト4入りが決定。「自分たちも1年からインカレに出て、2回戦までで負けることが多かった。その壁を壊せた」(野開)。最終学年で大きな目標を達成。トーナメントは残り2勝で頂点に到達する。「自分もラストなので、なんとしてでも決勝で国立に立つ。そういう気持ちで臨んでいるので、次も絶対に勝てるようにがんばります。自信はありますね」。死闘を制した強靭なメンタルで、大学サッカーの有終の美を飾るつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
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