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福岡大は四国学院大を撃破! 昨年度は夏冬ともに初戦敗退…“鬼門”乗り越え次戦は関西大「正々堂々、真っ向勝負で挑戦したい」

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福岡大が初戦勝利

[12.7 インカレ1回戦 福岡大 2-1 四国学院大 流通経済大学龍ケ崎フィールド]

 第72回全日本大学サッカー選手権(インカレ)は7日、各地で1回戦を行った。茨城県の流通経済大学龍ケ崎フィールドでは、第2試合で福岡大(九州1)と四国学院大(四国2)が対戦し、福岡大が2-1で勝利。10日の2回戦では関西大(関西2)と対戦する。

 インカレ6大会連続46回目出場の九州王者・福岡大は3-5-2の布陣。GKはシーズン後半に定位置を掴んだGK中野翔(3年=秀岳館高)、3バックは左からDF磯谷駿(3年=九州国際大付属高)、DF伊藤颯真(4年=洛北高)、DF坂井悠飛(1年=立正大淞南高)。アンカーにMF内田裕也(4年=高川学園高)。チームの要となる両WBには、左サイドにDF岡田大和(4年=米子北高/札幌内定)、右サイドにDF橋本悠(3年=鳥栖U-18)を配置。左インサイドハーフにMF重見柾斗(4年=大分高/福岡内定)、右インサイドハーフにMF稗田凌太(4年=九州国際大付高)。2トップにFW中山桂吾(2年=高川学園高)とFW松尾亮汰(3年=龍谷高)を起用した。

 対する四国学院大は4大会ぶり3回目。4-4-2の布陣で、GKは田中藍人(2年=新田高)、4バックは左からMF石川凌(2年=四国学院大香川西高)、DF河村太暉(3年=鳴門高)、DF佐藤敬太(3年=四国学院大香川西高)、DF吉山大星(3年=必由館高)。ボランチ2人はMF室津慈恩(2年=高知中央高)とキャプテンのMF小村萌斗(4年=山梨学院高)。左サイドはMF熊野敬二郎(3年=四国学院大香川西高)、右サイドはMF河元海(3年=明誠学院高)。2トップはMF中西拓斗(1年=高知中央高)とFW室天舞(2年=高知中央高)が並んだ。

 前半はほぼ福岡大が支配権を握った。福岡大・乾真寛監督が「このチームで一番の売り」と強調する左WB岡田と右WB橋本が攻撃をけん引。岡田は左利き、橋本は右利きでともにプレースキックも担当し、何度もチャンスを作った。右サイドから橋本と右SBの坂井が推進力を持って進み、前線の稗田や中山、松尾が攻撃に絡む。それでも前半45分間に均衡を崩すことはできず、スコアレスで折り返した。

 ハーフタイムで両チームは交代カードを使わず。後半12分には福岡大が最初の交代枠を使用する。稗田を下げ、キャプテンのFW北條真汰(4年=鹿児島城西高)を投入した。後半からは四国学院大も反撃を仕掛ける。後半14分には左サイドから熊野が単騎突破。左足でクロスを上げると、ファーサイドの河元が頭で折り返す。最後は中西がヘディングシュートで合わせるも、GK中野にキャッチされた。

 すると直後、ピンチを切り抜けた福岡大がすかさず隙を突く。後半15分、磯谷が中盤左サイドでボールを収め、左サイドの深い位置まで走る岡田にスルーパス。岡田がダイレクトで折り返すと、直前に投入されたキャプテン北條がすばやく反応する。右足ダイレクトで合わせ、ゴールに突き刺した。

 2度の大怪我から立ち上がったキャプテンの奮起で福岡大の士気はさらに上がる。四国学院大も交代枠を使いながらさらなる失点を食い止めるが、福岡大は後半38分に勝利を決定づける。PA手前でFKを得ると、橋本が鋭い右足シュート。ゴール左隅に決め切り、2-0と点差を広げた。

 四国学院大は終盤に意地を見せる。後半44分から出場したDF森本泰成(1年=鳴門渦潮高)が躍動。後半アディショナルタイム7分過ぎ、河村が中盤左サイドからFKを蹴ると、PA中央で森本がヘディングシュートでゴールネットを揺らした。

 しかし、四国学院大の追い上げには時間が足りず、得点の喜びとともに試合終了のホイッスルが鳴り響く。福岡大が2-1で初戦突破を決めた。

 メンバー35人の四国学院大は強豪校・福岡大を相手に奮闘も敗戦。昨年度からチームを指揮する四国学院大の和田憲明監督は選手たちをねぎらう。「苦しい展開になることはもちろんわかっていました。その対策や準備はしてきた中で、選手たちは想定以上のがんばりを見せてくれた。そこに関しては本当にいいゲームをしてくれた」と戦う姿勢を評価した。

 それでも圧倒される時間は多かった。和田監督も「もう少し勇気を出して攻撃に移るところを作り出すことが、自分の中では課題だった」と振り返る。スタメンとベンチを合わせた20人のうち4年生は2人のみ。痛い経験をその先につなげていく。「また来年、再来年につなげられるゲームにはなった。一番は、ここに照準を合わせてどれだけ日常を作っていけるかだと思う。また、がんばっていきたい」と悔しさを糧にするつもりだ。

 福岡大は昨年度は夏の総理大臣杯、冬のインカレともに初戦敗退。“鬼門”を乗り越え、乾監督も安堵の表情を垣間見せ、さらなる躍進を狙う。「次からはいままでの福大サッカーをする。強い相手を倒していくのが福大のサッカー。まずは4強に入ろうという目標であと2試合」(乾監督)。次戦は関西2位の関大と対戦。「九州1位が関西の2位にどうなんだというところを、正々堂々、真っ向勝負で挑戦したい」と力を込めた。

(取材・文 石川祐介)

●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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