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総理大臣杯覇者富士大は見せ場なく初戦敗退…日本一後に陥った苦悩「バーンアウトみたいな状況はあった」

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富士大は初戦で敗退となった

[12.7 インカレ1回戦 富士大1-4広島大 浦安]

 夏の王者は見せ場を作ることなく、大学選手権(インカレ)の戦いを終えた。1回戦で広島大と対戦した富士大は1-4で完敗。0-2の前半35分にDF本宮周東(2年=明秀日立高)が得点して1点差に詰め寄ったが、結局試合の総シュート数も、この本宮の1本のみに封じられた。

 全国に富士大の名をとどろかせた夏だった。2年ぶりに総理大臣杯に出場した富士大は、1回戦で周南公立大に逆転勝ち。同校史上初の全国大会勝利で勢いに乗ると、あれよあれよと頂点まで駆け上がった。大学サッカー史でも類を見ない優勝劇だった。

 ただ日本一がプラスに働くことばかりではなかったようだ。大会後には試合に出ていた4年生が就職活動に専念することなどを理由に退部。高鷹雅也監督もモチベーションの維持など、「一般的に言うバーンアウトみたいな状況はあった。マネジメントが難しかった」と嘆く。

 それでも意欲的に試合出場を目指す下級生の多くを競争に加えることで、何とか冬の舞台に向けて調整してきた。しかしインカレ直前には筑波大や流通経済大といった強豪と練習試合を組んで仕上げてきたが、本番では総理大臣杯後のチームの苦悩を表す結果に終わってしまった。

「(総理大臣杯は)何で勝てたのか、正直まだ分かっていない。運もあっただろうし、今日も同じように出来ていれば勝てたかというと、イコールじゃないと思う。でもいつまでもウジウジ言っていても仕方がない。前に進んでいくしかないと思います」(高鷹監督)

 今夏の富士大がみせた快進撃に心を動かされた人たちは少なくなかったはず。だからこそ全国の難敵を連破し、日本一に立ったという事実を“マイナス”にしてほしくない。その真価を来年以降の戦いに問い続けたいところだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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