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[MOM924]関西学院大MF浦道翔(4年)_「33」とともに…悲願の日本一へ好発進

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「33」ポーズで団結

[12.7 インカレ1回戦 関西学院大4-0北海道教育大岩見沢校 浦安]

 抜擢に応えるハットトリックになった。今季の関西学生リーグでも4試合の出場にとどまっていたMF浦道翔(4年=長崎U-18)が前半16分の先制弾を皮切りに、同22分、そして後半41分に得点を記録。「多分、中学校の時以来」だと話すハットトリックを完成させて、関西学院大を快勝発進に導いた。

「大学の公式戦はこの試合の前まで2点だった。初の複数得点でハットトリックなので、自分でもびっくりしています。Aチームに上がってからはサイドでプレーしていて、アシストが多かったけど、きょう初めてトップ下で使ってもらった。ゴールという結果を残せたのはアピールできたのかなと思います」

 得点後には両手の指を3本立てて、「33」のポーズを作った。「ここに来れていない仲間がいて。濱本尚希って言うんですけど、ハマが家庭の事情で来れないのを知っていた。個人的にも仲がよくて、試合2時間前にLINEをくれてて。それで33をしました」。

 33番のユニフォームはインディペンデンス・リーグ(Iリーグ)で日本一になった関学大のベンチにも飾られていた。「33」がラッキーナンバーになって、日本一へ向かうチームを団結させている。

 もっとも、浦道本人が努力で掴んだ結果だ。高橋宏次郎監督も「大活躍ですよね」と目じりを下げると、「普段からプレー面だけじゃなく、プレー面を生かす姿勢。点を取る裏側にある粘り強さをしっかりとみせてくれていた。そういうところが積み重なって、得点に結びついたんじゃないかなと思います」と頷いた。

 V・ファーレン長崎のアカデミー出身で、高校時代は10番を背負ってプレーした中心選手。大学もプロ入りを意識してハイレベルな環境に進むことを選んだが、現実を理解する場にもなった。卒業後は一般就職を予定。そのため、今大会がサッカーキャリアの集大成になる。

「サッカーを本気でやるのは最後だと思っている。あと長くて4試合だけど、このメンバーが自分は好きで、少しでも長く一緒にいたい。そのために自分が犠牲になってでもという気持ち。就職の前に、笑って終わりたいです」。まずはチームを勢いづけた。残りの1試合、1試合を噛み締めながら、力の限りを出し尽くす。

(取材・文 児玉幸洋)
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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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