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流経大が前回準V・医福大を破りインカレ3回戦へ! 主将負傷の逆境乗り越え「たくましくなった」選手が躍動

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流通経済大が3回戦へ

[12.10 インカレ2回戦 流通経済大 2-1 新潟医療福祉大 三ツ沢公園陸上競技場]

 第72回全日本大学サッカー選手権(インカレ)は10日に2回戦を行った。流通経済大(関東5)と新潟医療福祉大(北信越)の対戦は、流経大が2-1で勝利。13日の3回戦で東京国際大(関東2)と対戦する。

 初戦・札幌大戦を2-0で勝利した流経大。スタメンを2人変更し、DF西川楓人(1年=興國高)とMF鈴木雄大(2年=創価高)を起用する。4-2-3-1の布陣を敷き、GKはデューフエマニエル凛太朗(1年=流通経済大柏高)、4バックは左からDF田村陸(3年=流通経済大柏高)、DF根本健太(3年=東京学館高)、DF田口空我(2年=流通経済大柏高)、MF藤井海和(3年=流通経済大柏高)。ボランチ2人はMF八木滉史(4年=流通経済大柏高)と西川。2列目は左に鈴木、トップ下にFW松永颯汰(2年=静岡学園高)、右にMF中島舜(3年=柏U-18)。1トップがFW宮田和純(4年=FC東京U-18)となった。

 前回大会で準優勝の医福大は4-4-2の布陣。GKは桃井玲(3年=桐光学園高)、4バックは左からDF神田悠成(4年=青森山田高)、DF細井響(2年=習志野高)、DF秋元琉星(3年=青森山田高)、DF森田慎吾(4年=FC東京U-18)。ボランチ2人はMF松本天夢(3年=高崎経済大学附属高)とMF沼田航征(4年=FC東京U-18/沼津内定)。左サイドがMF小池陸斗(4年=尚志高)、右サイドがMF森英希(4年=市立船橋高)。2トップはFW田中翔太(4年=青森山田高/鳥取内定)とFW松谷昂輝(4年=市立船橋高)がコンビを組んだ。

 試合開始早々、流経大をアクシデントが襲う。キャプテンの八木が負傷。プレー続行が不可能となり、前半8分にDF光廣健利(2年=広島ユース)が投入された。光廣が右SBに入り、藤井がボランチの位置に移動した。

 精神的支柱が抜けたダメージはあったものの、流経大は冷静に試合を運ぶ。そして前半26分に先制ゴール。鈴木が左サイドからクロスを上げ、ファーサイドの宮田が収める。右足のキックフェイントで相手選手をかわし、左足シュートで決め切った。

 その後は医福大がセットプレーからゴールを狙い続けるも、0-1で前半を折り返す。ハーフタイムには2枚替え。森田と小池を下げ、DF大塚亮介(3年=清水ユース)とMF坂岸寛大(4年=横浜創英高/いわきFC内定)を投入した。

 医福大は投入された坂岸が左サイドからチャンスを作る。リーグ最終節で負傷し、大会直前まで復帰が遅れたいわき内定MFは果敢に攻め立てる。それでもなかなか同点ゴールは遠い。

 猛攻が実ったのは後半39分。敵陣に迫った医福大は波状攻撃を仕掛けるが、GKデューフのセーブに遭う。跳ね返されたボールをPA手前の坂岸が拾い、そのままPA中央に突進。こぼれたところを最後はエース田中が左足で押し込む。全員でつないだゴールが決まり、1-1と試合を振り出しに戻した。

 後半アディショナルタイムは7分と示される中、時間は刻々と過ぎる。そのまま延長戦かと思われたアディショナルタイム8分過ぎ、流経大は光廣がPA右にボールを運び、さらに松永が収める。突破を狙ったところを坂岸に倒され、PKを獲得する。流経大のキッカーは宮田。冷静にゴール右隅に決め切り、後半終了間際にスコアを動かした。

 あきらめない医福大は試合を再開させ、敵陣まで走るが、ゴールには届かず。試合終了のホイッスルが鳴らされ、流経大が2-1で勝利した。

 終盤に追いつかれた流経大だが、あきらめることなく90分で試合を締めた。中野雄二監督は「(同点は)普通だとガクンときちゃうシーン。あれを跳ね返すだけのことができた。年間を通してたくましくなったかなとそんな感じはします」と目を細める。

 負傷したキャプテン八木の状態について、指揮官は顔を曇らせる。13日の3回戦・東京国際大も欠場が濃厚だ。キャプテン不在の影響は大きかったが、指揮官は「逆にキャプテンが試合始まってすぐ怪我したということで、 もっとやらなきゃいけないというのになったのかもしれない」と選手たちの底力を称えていた。

 次戦の東国大はリーグ戦で相まみえた相手。前半戦は0-2で敗れ、後半戦は2-2で引き分けていた。中野監督は「関東同士なのでよくわかってる相手」と自信ものぞかせる。流経大はリーグ戦を5位で終了。指揮官は今大会の下馬評の低さを跳ね返すつもりだ。「皆さんも優勝候補とは思っていないでしょうから。ダークホースのほうがプレッシャーがないかもしれない。次の東国大戦、しっかり勝ちたいと思います」と力を込めた。

 医福大は終盤のPKに泣いた。佐熊裕和監督は「前半1失点までは問題ないとミーティングでも言っていた。後半に1点を取るところまでイメージしていて、延長戦のことを考えて話をしながらという形だったが、最終的にはPK。非常に残念。最後の甘さというか、やっぱり難しいところ」と悔しさをにじませた。

 前回大会を準優勝で終えたが、今大会は2回戦敗退。「準優勝でしたが、そんなに力があるチームでもないので、一戦一戦目の前の試合を勝ち上がっていくことが重要。去年準優勝で今年もということは、そんなに甘い世界ではない」と敗戦を飲み込んでいた。

(取材・文 石川祐介)
●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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