[12.10 インカレ2回戦 東京国際大 3-1(延長)大阪学院大 三ツ沢公園陸上競技場]

　途中出場で勝利を決定づけるゴールを挙げた。延長戦に突入した東京国際大は延長前半6分に勝ち越しゴールを決めると、さらに延長前半終了間際にMF関本真尋(4年=宇都宮短期大附高)が価値あるチーム3点目。味方の負傷による緊急投入だったが「いつ交代してもいいように準備はしていた」。自身のゴールで勝利を決め切った。

　前半7分に先制した東国大だが、後半35分という終盤に大阪学院大に追いつかれた。試合は1-1で延長戦へ。しかし延長前半2分に攻撃の起点となっていたMF竹間永和(3年=鹿島ユース)がプレー続行不可能となる。交代カードとして名前が挙がったのは関本。「ずっと見ながらチームを勝たせたいという気持ちだけでした」。延長戦からの投入にも気持ちの準備はできていた。

　延長前半6分、後方からの縦パスをMF熊坂光希(4年=柏U-18/柏内定)が収める。関本は右サイドを走り、相手守備陣を引き付けると、熊坂は中央に折り返してパス。ボールを収めたMF依田籟木(3年=山梨学院高)がミドルをゴールに突き刺し、勝ち越しゴールを決めた。

　仲間たちが歓声のあるスタンドに走る一方、関本は熊坂とともにセンターサークルに立つ。「最初はすごく喜んだんですけど、相手にキックオフされたらやばいというのが一瞬頭をよぎった。それでセンターサークルで待っていようと」(関本)。同じことを考えた熊坂は、関本が下のカテゴリーに落ちたときにも近くで支えてくれた存在。「あそこにクマもいてうれしかった」。4年生2人はハイタッチで喜びを分かち合っていた。

　その後、東国大は1点を取り返そうとする大院大の猛攻をしのぎ切る。そして延長前半終了間際に右CKを獲得。キッカーは関本だ。「まず中と合わせて、最初それが第一の目的」。しかし敵陣PA内で跳ね返され、PA右でボールを収めたのは再び関本。瞬時に深い位置まで突破を図ると、目の前にゴールが見えた。「そのときにパスを考えちゃったんです。でも、自分が勝たせたいという気持ちが勝ってシュートを選択した」。角度のないところから右足を振り抜き、ゴールに突き刺した。

　今度のゴールは喜びを爆発。ベンチまで走り、仲間とともに喜びを分かち合った。関本の得点が勝利を決定づけ、東国大は2-1で勝利。3回戦進出を決めた。

　関本は今シーズンはリーグ戦で11試合に出場も1得点のみ。前期は出場機会もあったが後期になるとそれも減少。「チームに貢献できていなかった。絶対にアシストよりゴールで勝たせたい」と決意を固めていたという。

　高校時代は宇都宮短大附高で背番号10を背負った。しかし、矢板中央高に3年連続で屈した。「高校は全国には行けなくて……だからこの全国の舞台にすごく懸けています」と力を込める。「最後なので、もう後輩に残せるものが優勝しかない。だから優勝したい」。頂点までは残り3勝。「今日も途中出場。試合に出られるように努力して、ゴールでチームを優勝に導きたい」と活躍を誓った。

(取材・文　石川祐介)

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