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日本代表メンバー発表、ザッケローニ監督会見要旨

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 日本サッカー協会は30日、9月6日のキリンチャレンジ杯・UAE戦(東北電ス)、同11日のW杯アジア最終予選・イラク戦に臨む日本代表メンバー23人を発表した。

以下、ザッケローニ監督の記者会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督会見要旨
「先ほど関塚監督の会見があったが、まずはオリンピックでの素晴らしい最高の結果におめでとうと伝えたい。私が就任したときからA代表のコーチも兼任していた。私の正直な気持ちとしては、最後まで一緒に目標を達成できればよかったが、新しい環境、新しいチームで新しいチャレンジをしたいという関塚さんの気持ちも分かるので、それを尊重したい。新しいステージでの活躍を心の底から応援している。

 重要な試合であるイラク戦に向けていい準備をしていきたい。イラク戦の前にはUAE戦があるが、大切な試合に向けてどれだけいいコンディションで臨めるかが大事。欧州はシーズンが始まったばかりで、チームが変わった選手もいるし、これから変わる選手もいるかもしれない。その中でいいコンディションを見つけていきたい。

 イラク戦に向けた準備は2つある。一つはチーム全体のコンディションを高めること。もう一つは常に選手に話しているが、日々のクラブチームのやり方を片隅に置いて、代表チームのやり方に集中してほしいということ。ただ、この2つを達成するのは容易ではない。しかるべきフィジカルコンディションにこの短期間で上げるのは難しい。6月(の最終予選3連戦)から2か月空いて、8月も2日間程度しか集まれなかった。2つ目も簡単ではない。

 イラクについてはこのグループでW杯に出場する候補に挙げられる。そうそうたる覚悟で日本戦に臨んでくると想像している。相手の監督はインターナショナルなレベルでも、日本でもよく知られている。選手も能力の高い選手がそろっている。3次予選でもこのチームに能力があることは容易に見て取れた。

 我々の哲学は変わらない。勝ちを目指して試合に入る。慢心せず、常に高いところを目指すのが我々のスタイル。どんな試合でも、どんな環境でも、勝つためにプレーする哲学を持っていないといけない。メンバーもこれまでのレギュラーが数人欠けているが、今回招集した23人を信頼している。普段出ているメンバーもいれば、出ていないメンバーもいる。慣れもあると思うので、練習期間でそこを解消していければと思っている」

―宮市が外れた理由は?
「試合勘の問題というか、彼が90分試合に出たのは4月までさかのぼらないといけない。試合勘が100%に伴っていない状況で呼んで使ったとしても、そこまでのリアクション、100%のパフォーマンスは見られないと想定して招集を回避した。若い選手で、チームも変わったばかり。プレミアリーグではメンバーにも入っていない。そっとしてあげて、環境に慣れる手助けをしてあげようと思った」

―佐藤寿人は候補に入っていないのか?
「佐藤選手のプレーはいつもよく見ている。常にいいプレーをしている。これまでと同様の顔触れを選んだ理由はチームのやり方に慣れているというか、チームとしてこれまでやってきたメンバーを大きく変えたくなかった。少しのズレでチーム全体のプレースピードが落ちることもある。そのため、現行路線で大きく変えないという決断を下した。佐藤選手はいいプレーを見せているし、活躍していることは認識している」

―長谷部はクラブで試合に出れていないが?
「ベネズエラ戦でもテストできたし、その結果、いい状態にあると認識している。あれから時期も経っていないし、イラク戦まで時間もある。UAE戦のあとの状態を見て決めたい。ベネズエラ戦では、あそこまでいい状態とは思っていなかったので、いい意味のサプライズを受けた」

―ベネズエラ戦では招集しなかった原口、清武、酒井宏樹については?
「原口は試合にもコンスタントに出ているし、体調もよさそうだと判断した。代表での役割も理解している。清武と酒井宏樹については、ベネズエラ戦は五輪の疲れを考慮して招集を回避した。酒井宏樹は足首の問題もあったが、すでに解決しているという情報が上がってきている。清武は試合にも出ている。前回招集しなかったのは五輪の疲れがあったからだ」

―本田はチームでも調子がよさそうだが?
「昨年、ケガをしている時期もあったが、それ以外は招集しているし、常にプレーしている。今のトップ下のポジションが適正だと思うし、自由に動けるので、彼のポジションかなと思っている。コンディションもいいし、それはポジティブなこと。チーム全体でコンディションの問題がある中で、コンディションのいい選手がいるのはうれしいこと」

―ドイツでは酒井高徳がドイツ代表を選ぶ可能性もあるという報道があるが?
(原博実技術委員長が回答)
「いろんな報道がされているが、本人とロンドンでも話をして、彼の意思も確認している。(五輪後)すぐにA代表(のベネズエラ戦)に来てほしいということも理解して、来てくれた。ここに入ってきているのに(日本代表に)なりたくないというのはあり得ない。彼ともこの話はしていない。日本代表メンバーに選ばれているということは日本代表になるということ。彼と直接話した言葉を信じている」

―ベネズエラ戦に続いて今野、栗原がいない中で確認したいことは?
「UAE戦では吉田選手の横でプレーする機会を与えて、さらに連係を高めてイラク戦に臨みたい。大切なことはオマーン戦、ヨルダン戦をいい意味で忘れて、引き締め直してこの試合に臨むということ。オマーン戦、ヨルダン戦で見せた試合に臨むアプローチは忘れていないが、3-0、6-0で勝ったからイラクにも勝てるという気持ちはわずかでも持ってはいけない。当日は会場がサポーターであふれかえると想像している。応援してくれる皆さんにもパフォーマンスで応えたい。我々は勝つためにプレーする」

―イラクのジーコ監督はかつて日本代表も指揮し、日本でもよく知られているが?
「ジーコ監督の経験、選手の個の能力は警戒しないといけない。3次予選でもその強さを見せていた。我々とは違った特長を持っている。しかし、大事なのは我々のアプローチだと思う」

(取材・文 西山紘平)

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