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ナイジェリアに2-1で勝利したヤングなでしこ、自国開催のW杯で堂々の3位

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[9.8 U-20女子W杯3位決定戦 日本2-1ナイジェリア 国立]

 U-20女子W杯は8日に大会最終日を迎え、U-20日本女子代表(ヤングなでしこ)はU-20ナイジェリア女子代表と3位決定戦を戦った。慎重な立ち上がりを見せた日本代表だが、前半24分にMF田中陽子が左足で豪快なミドルシュートを決めて先制する。さらに日本は後半からピッチに立ったFW西川明花が、後半5分に追加点を挙げてリードを広げた。その後のナイジェリアの猛反撃を1点に抑えたヤングなでしこが、自国開催のW杯で堂々の3位に輝いている。

 日本は4日に行われた準決勝のドイツ戦(0-3)から3選手を入れ替えた。DF木下栞、MF柴田華絵、FW西川明花に代わり、DF中村ゆしか、MF横山久美、FW道上彩花がスタメンに名を連ねている。対するナイジェリア代表は、4日のアメリカ戦から一人を変更した。DFウゴ・ヌジョクに代わり、DFブレッシング・エドホが先発に入っている。
[スタメン&布陣はコチラ]

 ヤングなでしこは、準決勝の教訓をしっかり生かした。準決勝のドイツ戦では、開始早々に失点を許し、なかなかリズムをつかめなかった。しかし、この試合では落ち着いた入りを見せる。前半6分にFWデザイア・オパラノジーのFKがゴール前に流れて、右ポストを叩くシーンはあった。だが、その場面以外はナイジェリアにPA内までボールを運ばせずに、決定的な場面をつくらせない。

 時間の経過とともに、日本がチャンスをつくり出す。前半19分にはDF中村ゆしかが右サイドからゴール前にボールを入れて、ボランチの猶本光が走り込むなど、攻撃に人数を掛けるようになった。迎えた前半24分、ゴール正面でボールを受けた田中陽が思い切り良く左足を振り抜くと、ボールはGKホワイトの手を弾いてゴールに決まった。

 その後も日本は、フィジカルの強いナイジェリアの選手たちにしっかりと体を当て、数的優位をつくりながら対応し、チャンスをつくらせない。前半35分には負傷を抱えるMF横山久美に代わり、MF柴田華絵をピッチに送り出した。前半終了間際には、最終ラインのビルドアップからショートカウンターを受ける場面もあったが、ゴール前で体を張った守りを見せて、ナイジェリアに枠内シュートを1本も許さずに前半を折り返した。

ハーフタイム、両チームは選手を交代する。日本はFW道上彩花を下げて、西川を投入する。ナイジェリアもMFヌクとFWオーデガを代えて、オージとアドゥレというFWの選手を2人起用してきた。この交代が奏功したのは、日本だった。後半の立ち上がりこそナイジェリアに押し込まれたが、後半5分、前半途中から起用されてトップ下に入っていた柴田がドリブル突破を見せる。最終ラインのDFを引き出してからラストパスを出すと、これを受けた西川がGKとの1対1を確実に決めて、日本が2-0とリードを広げた。

 点差を広げた日本だが、前線でのプレスが弱まり、高い位置までナイジェリアにボールを運ばれるようになる。それでも高木ひかり土光真代の両CBが、体を張った守りを見せ、ゴールマウスにボールを飛ばさせない。後半19分には左SBの浜田遥のクロスをGKがキャッチミス。そのボールに反応した西川と藤田だったがボールに触ることはできず。流れたボールは右ポストを叩いたが、追加点にはならなかった。同22分に日本は藤田に代えて、DF登録の木下栞をボランチに起用する。

 ここまで粘り強く戦っていたヤングなでしこだったが、後半29分に1点を返される。オパラノジーにFKを直接決められて、1点差に詰め寄られた。このゴールで勢いづくナイジェリアは、オパラノジーを中心に猛攻を見せる。ナイジェリアのエースは、33分、40分に右からのクロスをヘディングで、43分には左からのクロスを高木がクリアーしたボールを胸トラップして左足でゴールを狙ったが、いずれも枠を捉えることはできなかった。

2分間のロスタイムも、日本はしっかりとボールをつなぐ。このまま2-1でタイムアップのホイッスルを聞いたヤングなでしこが、自国開催のW杯で、見事3位に輝いた。

(取材・文 河合拓)
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