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みたび歴史的初勝利なるか、ブラジル戦へザック「非常に難しいテスト」

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 みたび番狂わせを起こせるか。16日にポーランド・ブロツワフでブラジル代表と対戦する日本代表は15日、試合会場で公式練習を行った。06年のドイツW杯グループリーグ最終戦で1-4で敗れて以来、6年ぶりとなるブラジル戦。過去2分6敗と一度も勝ったことのないサッカー王国相手に再び大金星を狙う。

 アルベルト・ザッケローニ監督は就任初戦となった10年10月8日のキリンチャレンジ杯でアルゼンチンを1-0で撃破。過去6戦全敗だった南米の強豪から初勝利を挙げた。今月12日のフランス戦も、過去1分4敗(PK負けは引き分け扱い)だった相手を敵地で1-0で下す初白星だった。アルゼンチン、フランス、ブラジル……。世界の強豪国相手からみたび歴史的な初勝利を手にすることができるか。

「自分が代表監督になってからアルゼンチン、フランスという強豪と対戦し、いい戦いができたし、いいテストになったと思っている。明日もそうなると思うが、この時点では非常に難しいテストになるのかなと思っている」

 苦戦は必至だ。防戦一方となる可能性もあり、大敗の危険さえある。「ブラジルは世界で一番テクニックのあるチームだと思っている」「ブラジルはスペインとともに世界のトップを走る存在」。指揮官がそう話すとおり、ブラジルは11日にスウェーデンで行ったイラクとの親善試合も6-0で大勝。8月15日のスウェーデン戦(3-0)、9月7日の南アフリカ戦(1-0)、同10日の中国戦(8-0)、同19日のアルゼンチン戦(2-1)と、現在5連勝中で、対アジアで見れば、中国に8-0、イラクに6-0と圧倒的な強さを見せている。

 それでも、ザッケローニ監督は選手たちが勇気を持って戦うことを求める。「ピッチ全体で日本が戦う姿勢を見たい。日本の戦い方をしない限り、どこが足りないのか、どこが通用するのかは分からない」。自分たちのサッカーでぶつかってこそ、現在の立ち位置も分かる。

「このチームのスタート地点のポジションは分かっているし、到達地点もある程度分かっている。そこに向けて現状、どこにいるのかを確認したい。私が就任して2年がたち、このチームができること、このチームの能力は完璧に把握しているつもりだ。この冒険が終わるまでには、まだ時間がある。その時間での伸びしろも分かっている」。フランス、ブラジルという世界の強豪国との連戦を通して描く青写真。全力で挑むことが2年後のブラジルW杯に向けた糧となる。

(取材・文 西山紘平)

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