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日本vsヨルダン 試合前日の公式会見要旨

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 26日のW杯アジア最終予選・ヨルダン戦を翌日に控えた25日午前、日本代表はアンマン市内で公式会見を行い、アルベルト・ザッケローニ監督とキャプテンのMF長谷部誠(ボルフスブルク)が出席した。

以下、公式会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―明日は大一番だが、今の心境は?
「明日の試合は我々にとって、予選を突破するために非常に大切な試合。明日のゲームで決めたいという思いがある。心境としては、非常に集中している状態。選手たち、チーム全員がそのような気持ちの状態であると思う。私は私の選手を信頼している。技術面、メンタル面でもこれまで素晴らしい戦いをしてきた。明日の試合が簡単にいくとは思っていない。ヨルダンはホームで強みがある。これまでもホームで勝ち点を多く稼いできた実績がある。アジア杯でも対戦したが、絆が強く、団結力があり、まとまったチームだという印象を受けている」

―ヨルダン戦前にオーストラリア対オマーンの試合があるが、その結果は選手に伝えるか?
「無理に選手からインターネットを奪うわけにもいかない。選手は自然とその結果は見るのではないかと思う。しかし、裏(カード)の結果は大きな影響を与えないと思う。我々が考えないといけないのは目の前にある試合のことで、そこに集中するべきだと思う。試合前に他のところに集中がそれるということはしたくないと思っている」

―(海外メディアからの質問)本田と長友がいないことに不安は? ホームではヨルダンに6-0で勝っているが?
「当然、これまで代表チームに貢献してきた2選手が欠けることは残念ではあるが、自分のスタンスとしてはブレることはなく、これまでも代わりに入った選手たちが素晴らしい活躍をしてくれているし、明日の試合もそうなると思う。昨年6月の日本のホーム戦と同じ試合にはならないと考えている。ホームでのヨルダンは違うチームになる。よりダイナミックに、よりアグレッシブに、サポーターの声援を受けて激しい試合をしてくると思う」

―(海外メディアからの質問)昨年6月からヨルダンのレベルは上がっていると思うか? ヨルダンの今のレベルでこのグループの3位になれると思うか?
「先ほども言ったが、日本のホームでの戦いのようにはいかないと思っている。ヨルダンの監督もその試合からフォーメーション、戦い方を変えてくると思う。ヨルダンは先のオーストラリア戦の勝利も経てチームとしての自信を深めている段階にあると思うし、ホームの熱狂的なサポーターの後押しもある。日本のホームでの戦い方とは違った戦い方になると思う。現在の順位表を見てみると、日本がコンスタントに勝ち点を稼いできて、現在の順位になっている。日本の後ろには、1ポイント差で4チームがいる。今後必要になるのはいかに試合にいい状態で合わせるか、試合にいいコンディションで入ってこれるか。ヨルダンが3位に入れるかどうかもそこにかかってくると思う」

―カナダ戦後、選手は監督の指示にこだわりすぎたと話していた。明日の試合前の指示で工夫することはあるか? 監督の指示を受けて選手が戦い方をアレンジすることに期待しているか?
「監督から出る指示というのは、自分のチームの選手の良さ、特長を引き出すことだと思うし、相手のストロングポイント、いいところ、長所を消すことだと思う。それに対して指示が出るが、それはあくまでチームへの指示。個の場合はどうなるかというと、個の部分では相手がどういうふうに出てくるか想定はできるが、試合にならないと100%読めるということはないし、近くにいるチームメイトの特長も人選によって変わる。試合の中で、個の局面では選手がイニシアチブを取らないといけない状況が出てくると思う。選手自身がイニシアチブを取らないといけないと思うが、このチームの特長、選手の特長をいかに引き出すか、いかに融合させてチーム力として外に出していくかにも重点を置かないといけない。2か月ぐらい代表の活動がない中で、チームとしてのコンセプト、戦術練習をトレーニングでやる中で、それがぎこちなくなり、イニシアチブを出しづらい状況になってしまったのかなと思う」

―(海外メディアからの質問)多くの選手が欧州、特にドイツで活躍しているが、例えば欧州CLに出た選手の経験が代表チーム、日本サッカーにどんな影響をもたらしているか?
「日本人のいいところとして、和で勝つこと、グループで勝つ喜びを知っているということがある。欧州では個で勝ちに行く文化があると思う。海外組の選手たちはセリエA、ブンデスリーガ、プレミアリーグなどで、世界の優秀な選手たちとプレーすることでいい経験ができていると思うし、そういうタフなリーグを経験することで、より選手として成長していると思う。また、現在はブラジルでも優秀な選手を自分の国内リーグで保有することができる状況が生まれていると思う」

―明日のメンバーは決めて今日の練習に臨むのか? 明日の結果次第で監督として初めてW杯出場権を獲得するが、今の心境は?
「明日のスタメンはすでに決めてある。心境としては、後回しにできないなというのがある。プレッシャーは私にもあるし、この会見場を見てもたくさんの方が詰めかけている。当然、日本でも国民の期待は高まっていると思う。私としてもチームとしても、プレッシャーはかかっているが、これを悪い風にチームに伝えてはいけない。プレッシャーがありながらもバランスを考えながら、明日の試合にいい状態で臨みたい」

●MF長谷部誠
―明日は大一番だが、今の心境は?
「ヨルダンは今、非常に力を付けてきている良いチームだと思う。ただ、自分たちもカタールでいい合宿ができたし、昨夜ヨルダンに入って、今日の練習からチーム全員で試合に向かう雰囲気をしっかりつくって、しっかり準備すれば、明日の試合は勝てると思う」

―4年前のウズベキスタン戦は退場しているが、こういう試合の難しい部分は?
「W杯予選のアウェーはピッチ内外でホームとは違う難しさがある。そういうものを乗り越えてチームは強くなると思うし、今の自分たちの状況は、勝てばW杯出場が決まるということでハッキリとしている。そういう中で絶対に勝って決めるという強い気持ちを持って、この壁を乗り越えることで、ここで決めることでチームはまた成長できると思う。そういう気持ちを持って試合に臨みたい」

(取材・文 西山紘平)

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