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フットサル日本代表、千葉合宿3日目 練習後のミゲル監督コメント

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 フットサル日本代表は18日、千葉合宿の最終日のトレーニングを行った。前日のトレーニングで確認した攻守の動きが随所に見られる中でも、選手たちは積極的にゴールに向かう姿勢を示した。練習後、ミゲル・ロドリゴ監督は「嬉しいです。良いトレーニングができました」と、手応えを口にした。

 以下、練習後のミゲル・ロドリゴ監督コメント

―3日間の合宿を終えましたが感想は?
「嬉しいです。今日、良いトレーニングができました(ここまで日本語で即答)。非常に集中していましたし、2日目から取り組んでいた攻撃、守備のやり方をだいぶ吸収してやって、非常に進歩がありました。やり方を吸収することにこだわったとき、本来の『ゴールを目指す』という目的を見失いがちになるのですが、積極的な決断をすることも、プレーするというところにも最後のゲームには表れていました。ゲームの中での戦術的な面に目を向けても、プレス回避、守備においてはプレッシング、そこの両面においては吸収しながら、ゴールを目指せていたのは、すごく良かったと思います。GKも良かったですね」

―そのGKも含めて、3人の初招集の選手たちはどうでしたか?
「非常に良い溶け込み方をしていると思います。モチベーションも良く、吸収も早かったですね。これまでも代表に初めて来たという選手たちを何人も見ていますが、なかにはシャイすぎたり、ナーバスになって固くなったり、うまくいかないことがありました。でも、今回の3人はそんなこともなく、非常に良かったと思います。競技レベルは、実際に見てみてレベルが高いことを確認できました」

―片山選手とは直接スペイン語で話していましたが、彼の印象は?
「もともと私はピヴォの選手を大事にするのですが、日本ではなかなかいない、ピヴォらしいピヴォですよね。大事にしなければいけないと思っていますし、特に彼は左利きで貴重な戦力です。そういう意味でも貴重ですよね」

―左サイドから右利きのアラが縦にパスを入れられやすいですよね。
「そうです。またセットプレーのパターンも増えます。前純内も左利きですが、左利きの選手というのは、スペイン語が喋れることもセットになっているのかもしれませんね(笑)。でも、他の選手にも日本語を交えながらコミュニケーションをとるようにしています。たまたま、彼はスペイン語を話せましたのですが、特に今回の合宿は期間も短かったし、こういうタイミングだったので、コミュニケーションに重点を置いていたので、ストレッチのときなどは、そこを意識して話しかけました。彼らに自信と、ここにいることをプレッシャーではなく、誇りに感じてモチベーションが上がるようにと喋りかけていました」

―宮竹選手について、以前粗削りだが良いモノを持っていると話していたが?
「田中(俊則)とも共通していることですが、GKトレーニングをやっているとは聞くのですが、自分たちのプレーを修正したり、プレーを振り返っての指導は受けていないようです。ただ、『こういう練習だ』とGK用のメニューをこなすだけで、その意味を理解しながらできることが少ないんですね。この2人のGKは非常にポテンシャルが高いだけに、そこが惜しいなと思います。まだフットサルが若いスポーツなんだなということは、そういうところからも感じますね」

―選手たちにシュートを打たなければいけない理由を説明して、その結果、シュートの本数も増えたと思います。スペインでもそういう指導はしたのですか?
「スペインやブラジルでは、そんなことは起こりません。まず本能として、当たり前に目的としてやる。目的を忘れてシュートを打たないという現象が起こることはありえません」

―裏を返すと、監督にとっては指導しやすい面もある?
「言っても、言っても、まだできないというところは、多々ありますけどね。今日は、良くなったと思いますけどね。それはもう文化でしょうね。誰も解明できないことですが、サッカーもそうなのかなと思います」

―今回の合宿では、選手たちに「合宿でやったことを続けなさいよ」というふうに宿題を与える目的もあった?
「メインテーマは、新しい選手たちを見て、どう融合していくか。そこは変わりません。結果的に、そういうことにはなったかもしれませんけどね。どちらかというと、新しい選手たちの大きな現象として期待したいのは、ベトナム遠征後に起きたような現象です。あのときも、帰国してすぐにセントラルの試合に出た選手が、レベルが上がり、刺激を受けてモチベーションも上がり、その直後の節でかなりの選手がMOMになったんですよね。西谷、北嶋、皆本といった選手が、MOMを取る活躍をしたんです。代表活動をモチベーションにしながら、向上のブースとになってくれればなと思いますね。今回も(堅山)賢仁とか、田中、(宮竹)晴紀とかがね。それがすごくモチベーションとパフォーマンスににじみ出て、変わってくれれば素晴らしいなと思います」

―宮竹選手と北嶋選手は「夢のよう」と代表活動を振り返っていました。
「それがモチベーションにつながり、パフォーマンスの向上になってくれればと思いますね」

―次の予定は3月のスペイン遠征です。メンバーの選考は、どこを見るのでしょうか。
「まだ日程は固まっていませんが、Fリーグや全日本選手権でのパフォーマンス。あとは海外でプレーしている(逸見勝利)ラファエル、佐藤亮、(畠山)ブルノ(・タカシ)らもですね。彼らの様子については、常に情報を集めていますので、状況と合わせてですね。明確に言えることは、若返りという道に変更はないということですね。100%ではありませんが、このまま変われるかなと思っています。小曽戸? 小曽戸も今回の若手メンバーでしょう(笑)。それは冗談ですが、彼は安定が売りですし、代表の顔になっていけるタイプです。いつも100%でやってくれますし、ケガもしない。その姿勢を続けてほしいし、こういう場に必要な選手です。ただ、もちろん現時点でメンバーに確定している選手はいませんよ」

(取材・文 河合拓)

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