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日本代表メンバー発表 西野朗監督会見要旨

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記者会見する西野朗監督

 日本代表西野朗監督は18日、都内で記者会見を行い、30日のキリンチャレンジ杯・ガーナ戦(日産ス)に向けた日本代表メンバー27人を発表した。

以下、西野朗監督の会見要旨

西野朗監督
「14日にFIFAへW杯(予備登録)のラージリストとなる35名を提出した。そして今日、月末にあるキリンチャレンジ杯のガーナ戦に向けてのメンバー発表ということで、手元にリストが届いていると思うが、27名を発表させていただいた。35名のラージリストを出した14日のあと、残念ながら2名がコンディションによるもので選考できない状況になった。33名の中から27名を発表させていただいた。選考に関しては、海外はシーズン終盤で、国内もシーズンが違うということで、W杯前に非常にタイトなスケジュールを行わなければならない。国内外で非常に厳しいスケジュールの中、選手の状況が刻々と変わっていく。そういう中でメンバー編成、メンバーリストも日々変えざるを得ない。現在調子の良い、高いパフォーマンスを出している選手たち、今までの実績、 経験値のある選手たち、そしてこれから将来に向けてポテンシャルの高い可能性のある選手たち。選考に関して見るべき要素はたくさんあるが、とにかく1か月後に迫っているW杯のことを考えた。

 今、選手たちは決してトップコンディションではなく、ケガを抱えている選手もいる。ただ、間違いなく(初戦のコロンビア戦が行われる)6月19日にW杯の大舞台で最高のコンディションになるであろう選手を予測し、そういう選手を招集した。どういうチームができるのかという想像を働かせながら、チーム、選手を見ていかないといけない。残念ながら、対象から外れている選手の中には、正直本日のメンバーに入ってもらいたかった選手もいる。今日外さざるを得ない状況になった選手もいるが、そういう状況での27名ということになる。ただ、これはあくまでもキリンチャレンジ杯のガーナ戦に向けてのメンバー。21日からキャンプをスタートさせるが、全員がそろってスタートできるわけではない。選手が一日一日ズレながら、25日には全員がそろうという予測は立てているが、その予測も正確ではない。週末に国内外の試合もあるし、21日からキャンプに入った中での選手たちのコンディションもある。追加招集も当然、キャンプ中に考えられるので、ラージリストの中の27名だが、これが最終的に6月4日に提出する選手ではない。この27名が良い状態で21日から招集できればと思っているが、本日はこの27名を30日のガーナ戦に向けてのメンバーとして発表させていただく」

―この27人から23人を選ぶということではないのか。
「もちろん、基本的にはこの27名の中からという考えは持っている。ただ、30日にガーナ戦があるので、それ以前にキャンプの状況で追加招集を受ける選手もいるかもしれないし、バックアップの選手たちはそういう準備をしてほしい。ゲーム(ガーナ戦)が終わったあとの状況にもよるが、そのタイミングで入ってくる選手も考えられる。もちろんガーナ戦がロシアW杯の第一歩であることは間違いない。そのテストに対しての27名だから、基本的にはこの27名からという考えはある」

―本田、岡崎、香川という“ビッグ3”と呼ばれる選手が選ばれたが、岡崎を選んだ理由とどのような役割を期待しているか。
「彼の持っているプレースタイルというよりは、我々がこれから大舞台で戦っていく上で、止まっている選手がいたら戦えない。止まっているというのは体もそうだが、それを働かせる判断力や頭の動きが止まったり、ボールを速く動かせないタイプの選手では、あのレベルで戦えない。岡崎はプレミアリーグという非常にタイトな試合の中で、今はケガ持ちだが、あれだけ体を動かして、チームに対する貢献度があり、しかもストライカーとしての役割も果たしていく。総合的にゲームの中での彼の役割は代えがないと評価している。ただ、運動量が高いということではなく、常に2つ、3つ先のプレーに対する彼のプレーの貢献度や献身度は、チームに欠かせないと判断した。懸命に今はトップフォームに戻そうとしているが、(初戦まで)1か月の猶予があれば、間違いなく良い状態に持っていけるという予測とチームにもたらす想像力を持った上で、ガーナ戦に招集した」

―本田と香川の選出理由は。最近のプレーをどう評価しているか。
「どういった理由というか、彼らのトップフォームやパフォーマンスというのは、代表の中で今まで積み上げられてきたチームの中心選手だった。ただ、香川については本当にデリケートに考えないといけない。彼の選手生命というか、3か月トップステージでやれていないという判断の中での招集。彼の状態を期待しながら、このキャンプで最終的に確認したい。私自身も数週間前に彼のところに行って、その状態を目で確認した。その上で最終的に入ってもらいたいメンバーであるのかどうかという判断が、現時点でキャンプを通じてでないとできない。彼も代えの利かないプレースタイルを持った選手なので、トップフォームに戻っていることを期待している。本田に関しても、 ステージが中南米というまた違ったコンディションの中でやれているところと、代表の中でフルにトレーニングしたり、ゲームに対するパフォーマンスというところのチェックをしたい。本当に彼らのプレーは、みなさんもご存知のように、代表チームに欠かせない。そういうパフォーマンスを維持して、さらに代表チームに貢献してほしい」

―青山は代表から遠ざかっていたが、選出の理由は。
「今、(広島の)チーム事情を彼が作っていると言っても言い過ぎではないくらい、現在の広島のサッカーを象徴しているキャプテンであり、中心選手であり、チームの精神的な支柱だと思っている。(代表から)少し遠ざかってはいるが、過去にも代表の経験はあるし、そこでの彼の貢献度も非常に高く評価している。過去の実績、経験値プラス現状のトップパフォーマンスというところで、最終的にもそういう力を代表チームにと考えた。間違いなく最高のパフォーマンスをしている選手の一人だと思う」

―コロンビア戦にどういう戦い方で挑むのか。
「準備期間が短いとか長いとかではなく、このタイミングでのチーム作りを考えると、できるだけ早い段階でメンバーを固定したい。キャンプ中にチェックやテストという猶予はないはず。当初のプランだと、もっと早い段階でメンバーを固めて、ガーナ戦に向けて本大会のシミュレーションの一つとしてチームを固めていきたいというのが、直近の招集の中で考えることだった。だが、国内外の選手のコンディションが一番そろいにくい状況だし、刻々とコンディションも変わっていく。メンバーも変更せざるを得ない状況の中で、プラスアルファの選手たち、バックアッパーの選手たちも含めた中でチームを作っていくのは必要なこと。今回は27名で、追加招集も考えられる中、当然コロンビア戦に向けての対応を考えるのも一つだが、正直、そこの絵はまだ描けない。ただ、コロンビア戦で勝ちにいくというシナリオを自分の中で想像や予測はしている。選手の掛け合わせ、グループによって描けることなので、その中でベストな選択をしていきたい。具体的にどういうスタートメンバーでということに関しては、いくつかの想像の中で可能性を考える中で、現状は一番良い選手、グループ、チームを考えていく段階にある」

―チームに新しい風をもたらすために長谷部からキャプテンを交代する考えはあるか。
「長谷部のキャプテンに関しては、本人にそういう話を直接伝えているわけではないが、是非やってもらいたい。そういうプレイヤーだと考えている」

―FWは4人という選出になっているが、2トップも考えての選考なのか。
「あらかじめお話ししたいが、(名前の)左にあるGK、DF、MF、FW。私がリストを作る段階で、このポジションをボードに載せたことは一度もない。今日初めてこうやってアルファベットが付いている。ボードの上にポジションは置いていない。ピッチ上のボードがあるので、そこに選手のスタートポジションであろうところにその選手たちを載せている。ここにあるFW4名となると、限定してFWが4人しかいないのかということになりかねないので、差し替えられるなら、左のポジションはGK以外は外してほしいなと思うぐらい。(FWとなっている選手は)確かに前線をやれる選手ではあると思うが、彼らも前線の選手だけではない。シャドーのMF的なポジションに入る可能性もあるし、サイドになる可能性もある。MFに載っている選手たちでも前線に入ってくる可能性はある。2トップ、3トップ、1トップの中でポジションは変わってくる。バランス的なところはあるが、ポジションというのは対応力が間違いなく求められると思うので、固執したシステムやポジショニングだけではない。ポリバレントに複数のポジションをこなす選手がこのリストの中にもたくさんいる。柔軟に対応していく力、戦い方、戦術、戦略的なところも選手には持ってほしいので、たくさんのオプションを考えて、選手にも伝えていきたい」

―久保裕也や中島翔哉の名前がないが、監督の考えは。
「久保に関しては、彼は自クラブで27日までプレーオフというシビアなゲームが控えている。そこに最後、入れるか入れないかというところは今週決定するが、まずはクラブに対して、非常に大事な試合に対して、状況によっては追加招集もかなう段階なので、あまりクラブに影響を与えるようなリストを出したくないというのもあった。もちろん戦力として考えているし、そういう状況のクラブがいくつか海外組にはあるので、その一人が久保。そういうことで追加での招集も十分に考えている。中島は1年目から非常に成果、結果を出した選手と分かる。ただ、ポリバレントでは彼は1年間なかった。同じポジション、あるいは多少違うポジションをやっていたが、そのポジションは日本代表で一番膨らむ、非常に成果を出している、出しやすいポジションではあった。そういうバランスの中で今回は選出しなかった」

―35人を決めたあとに2人呼べなくなった選手がいるということだが、すでに差し替えになったのか、23人を決めるまでケガの回復を待つのか。
「結論から言うと、最終的には35名提出したが、現状考えられるのは33名。それは一人はガンバ大阪の今野。重いオペではないそうだが、それを受けなければいけない状況で、この期間での復帰は望めないということでのリスト外になった。私とすれば、本当に経験値、実績があり、欠かせないという評価をしていたので、何としてもと思っていたが、リストを提出した翌日にそういう結果が出たので、やむなくリスト外にした。もう一人はフロンターレの小林悠。今朝報告を受けて、2週間程度のケガを負ったということだった。彼はここに入っていた。今朝までは(23人)プラス5名という判断をしていたが、彼も残念ながら外さざるを得ないという状況の中で、現状33名のリストとなった。今朝、報告を受けたので、そこで即答して、差し替えという判断にはまだなっていない。バックアッパーたちの状況等を含めて、必要があれば差し替えたいと考えている」

(取材・文 西山紘平)

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