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日本vsカタール 試合前日の公式会見要旨

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アジアカップのトロフィーを挟み、握手する日本代表の森保一監督とカタール代表のフェリックス・サンチェス監督

 2月1日のアジアカップ決勝でカタール代表と対戦する日本代表は31日、試合会場のザイードスポーツシティ・スタジアムで公式会見を行い、森保一監督とDF吉田麻也(サウサンプトン)が出席した。

以下、公式会見要旨

森保一監督
「明日のカタールとの決勝は非常に厳しい試合になると思っている。すでに両チームとも6試合やってきているし、カタールも非常に力のあるチーム。もうひと踏ん張りを日本のほうができるようにいい準備をして、明日の試合では選手が思い切って力を出し切れるようにしていければと思っている」

―選手、監督両方で優勝を勝ち取る挑戦になるが。
「日本代表のチームとして優勝をつかみ取りたい、勝ち取ってトロフィーを掲げたい気持ちはあるが、個人としてその優勝がどうこうということに関心はあまりない。明日の試合で優勝して、日本代表を応援してくださるみなさんと一緒に喜べるように我々は戦っていきたいし、最善の準備を今日の練習でもしていきたい」

―カタールは6試合を16得点無失点で勝ち進んできたが。
「非常に力のあるチームだと思っている。得点16、失点ゼロでここまで勝ち上がってきているのは我々も知っている。しかし、常に相手がどこであろうと考え方は同じで、相手に敬意を払い、相手のことを知って、我々が持てる力をすべて出す。選手には持てる力をすべて出して戦ってほしいと思っている。我々も勝ち上がってきている。1試合1試合、チームとして成長しながらこの7試合目、決勝にたどり着いた。これまでやってきたことを決勝の舞台で思い切り出してほしいと思う」

―今の日本代表の拠り所はどこにあると思うか。
「試合の中で選手たちが流れを読み取り、感じながら、意思統一して、チームで連係連動しながら試合を進めることができている。具体的にというのは難しいが、これまでの6試合もいろんなスタイルを持っている対戦相手だったが、ボールを握って攻めること、素早く攻めること、守備ではプレッシャーをかけてボールを奪うこと、受け身になったときはしっかり我慢しながら守備をするという部分等々、いろんな対戦相手と試合状況の中で学びながら、チームの力としてここまで来れたと思っている。明日の試合もどういう流れになっても、選手は対応力、修正力を持って、集中を切らさず、継続力を持ってやってくれると思う」

―UAEでプレーしている塩谷選手を追加招集した。広島時代に一緒に優勝しているが、彼はUAEでどう成長したと思うか。
「追加招集でチームに合流してくれたが、アジアカップのメンバー選考の中でも彼のプレーはスカウティングしていたし、いつでもこのグループに入ってこれるだろうという活躍と結果をアルアインでも出していた。広島でJリーグのタイトルを一緒に取った仲間でもあるし、そのあと彼はアルアインに渡って、(UAE)国内でも結果を出し、先日のクラブW杯でもいいプレーをして、世界の舞台でも戦えることを示してくれた。追加招集だが、日本代表の貴重な戦力だと思っている。彼だけでなく、ここUAEに来てくれている選手たちはみんな貴重な選手だと思うが、もっともっと日本代表に絡んでこれる選手がたくさんいることを見ながらチームの編成をしたいし、日本の成長につなげていきたいと思っていつも選手を見ている」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「監督も言ったとおり、ここまで6試合やってきて、短期間で6試合なので疲れもあると思うが、カタールのほうが中2日で、フィジカル的にはタフなものになっていると思う。そこに関して言い訳をするつもりはないし、ベストな状態で決勝に臨めるように準備している」

―優勝した8年前のチームと比べて今回の代表チームをどう思うか。
「9年前の(南アフリカ)W杯のあとに多くの選手が海を渡って欧州でプレーするようになった。前回優勝した大会から8年経って、スタメンの選手を見ても、移籍を含めてだが、全員が欧州でプレーするようになった。その精神的な成長は日本の財産になっている。イラン戦の前もそうだが、若い選手はイランのサポーターが多くてもアウェーの雰囲気を楽しんでいるように見えたし、僕自身、それは心強いと感じた」

―アジアカップ優勝はどんな意味があるか。
「ロシアW杯の前からずっと言い続けているが、W杯、アジアカップ、コパ・アメリカという1年が日本サッカーにとって大きなターニングポイント、大きな意味を成す時期だと思っている。ここで結果を出せるかどうかで人気もそうだが、成長も懸かっている。大きな責任を背負ってプレーしているし、日本代表として5度目のアジアカップを勝ち取りたい。監督の下、いいグループで戦ってこれている。1か月近く一緒にいるが、もっともっとプレーしたいと感じる仲間なので、このチームで勝ち取れれば、世代交代をしている日本代表にとっても新たな一歩になる。次のW杯で、前回のW杯で成し遂げることができなかった目標を達成する一歩になるのではないかと思っている」

―監督は継続力、対応力をキーワードにしているが、団結力も大事になるのでは。
「どんな仕事をするときも、いいグループであればあるほどいい結果を出せる。前回のW杯も8年前のアジアカップもいいグループ、いい雰囲気で仕事ができて、それはとても誇らしいこと。いい雰囲気だけで結果が出るわけではないが、日本代表の誇りと責任を背負って厳しくやるところは厳しくやっているし、そこは監督を含めてオンオフの切り替えをやっていただいているのかなと思う。イラン戦のあともみんなで外食をしたし、非常にいい雰囲気がチーム内に漂っているのかなと個人的には感じている」

―UAEとカタールの試合ではカタールを邪魔するような行為があった。決勝でもカタールは心理的なプレッシャーを感じるのではないか。
「(英語で)それはAFCがコントロールすべきことだと思うし、我々のコントロール外にある。我々がすべきことは自分たちにフォーカスすること。自分たちをコントロールするにはメンタルが重要で、特にアジアではそう。審判のジャッジも日本のスタイル、欧州のスタイルと異なるが、我々は大会を通して適応し、ここまでの6試合はうまくプレーできている。もし明日の試合が世界中に放送されるなら、僕はそうした愚かなことは見たくない。我々はアジアを代表しているし、『Bringing Asia Together』というハッシュタグの下でプレーしている。アジアのすべての選手が良いサッカーを見せることが重要だと思う。私は明日もフェアプレーでカタールと戦うことを楽しみにしている。(イラン戦のあと)何人かがホテルのエレベーターでイランのチームと会ったとき、彼らは試合の最後のことを謝ってきた。それがスポーツマンシップ、フェアプレーだと思う。明日も両チームが100%の努力をして、フェアプレーで戦うことを期待している。良い試合を世界中に見せたいし、それが日本だけでなく、アジアのサッカーにとって次のステップになると思う」

(取材・文 西山紘平)

●アジアカップ2019特設ページ

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