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日本vsキルギス 試合後の森保一監督会見要旨

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日本代表森保一監督

[6.15 W杯2次予選 日本5-1キルギス パナスタ]

 日本代表は15日、カタールW杯アジア2次予選でキルギス代表と対戦し、5-1で勝利した。試合後、森保一監督がオンライン会見に出席した。

以下、森保一監督会見要旨。

――新顔の選手が結果に出そうというのは良い方向に表れた試合だと思うが。
「セルビア戦から大幅にメンバー変更ということで、今日出場した選手たちは日本の選手層の厚さを示そうということと、日本にはたくさんいい選手がいるんだというところをそれぞれの個の良さを発揮してくれながら、チームとしてのコンセプトも試合のスタートから終わるまで思い切って発揮してくれようとしたのは、素晴らしかったと思う」

――2次予選を通じての成長。
「19年から始まり、かなり間も空いたりして、全体的に総括するのは難しいが、3月から5月、6月シリーズの2次予選で、これまでやってきたことと、我々がレベルアップしていくためにやらないといけないという、チームの攻守のコンセプトを選手たちが理解してくれて、対戦相手と目の前の試合はしているが、高い目標を持って、高い志を持って、選手たちが目の前の試合を100パーセント出し切ってくれて、チャレンジしてくれたおかげで、コンセプトとしてはかなり浸透したと思う。かなり選手も変えながら試合をしてきたが、より多くの選手にコンセプトを把握してもらい、誰が出てもチーム力を落とさずに戦っていけることは、多くの選手たちに感じてもらえたと思う。今回はミャンマー戦で海外組だけでのA代表、6月シリーズのA代表、U-24のカテゴリーとして戦っているけど、もう一つのA代表だと思っているので、多くの選手が、日本代表チームを構成していけると今回のシリーズで選手たちには感じてもらえたと思う。2次予選の相手だけでなく、途中セルビアと戦わせてもらったことで、自分たちがやっていることが、世界の強豪に通用するんだと確認してくれて、今日の試合でもやるべきことがさらにはっきりして、選手たちがチャレンジしてくれたと思う」

――最終予選に向けて。
「最終予選はこれまで戦ってきた2次予選とは別次元の厳しい戦いになると覚悟して、臨まないといけないし、これまでやってきて結果が出たからと満足して、最終予選にフワッと入ると非常に痛い思いをすることを、考えておかないといけない。個としてもチームとしても、常にレベルアップすることを、気を緩めずに最終予選に臨むことを準備しないといけない。しかし、代表としての戦いにおいて、これまで多くの選手に関わってきてもらい、最終予選に向けて、その先の目標に向けて、より多くの選手の成長がありながら、チームが成長してこれたことは、ポジティブだと思うし、最終予選に向けて、選考は選ぶ側の私たちも大変だと思うし、厳しくなるけど、より強い日本代表で、最終予選、誰が出ても力を落とすことなく戦えるという自信には、選手たちの頑張りで私自身持つことができている。選手も自分たちがやるべきことをやれば高い確率で勝つことができるということは、手応えを感じててくれていればと思う」

――今日のメンバー自体は経験が浅いメンバーだったが、お互いがお互いを生かすような関係性が見えたが。引き出すために監督として何かしたか。
「選手たちが、チームのコンセプトを理解してくれて、やるべきこと、チャレンジするポイントを理解してくれて、その中でチームの戦いの中で、自分の持ち味を最大限に生かして戦おうと、アグレッシブなプレーであったり、チャレンジするプレーが、チームの戦いをよりいい方向に選手たちは持っていってくれた。プラス、自分の良さを出すためには周りと連係、連動して戦うことが大切だと。自分の良さも引き出してもらう、周りの良さも自分が引き出してあげるという、お互いの関係が良かったと思う。個の責任を局面でまっとうすることと、チームとして組織的に連動して戦うバランスが良かったと思う。私自身は何をしたということはないが、まずは選手たちが主体的に練習から、試合の中でもコミュニケーションをとってくれて、お互いの絵を合わせていくことをやってくれたのは、見ていてすごく良かったと思う。私自身、やったことはコンセプトの部分を選手たちに伝えたということだけ」

――2次予選での課題。
「2次予選での戦いで、問題になる改善点を見つけるのは難しいところだが、今日の失点の部分、やはり試合の前半の終わらせ方の部分で、3-0でリードしていて、自分たちのテンポを緩めたり、相手へのプレッシャーを緩めたところで、自陣に攻め込んでこられた。試合が終わるまで、強度とテンポを落とさずにコントロールしながら戦えるようにしないといけない。それと、最終予選に向けて、タジキスタン戦で失点したけど、シュート1本で失点しているので、そこは細部のところまで、相手に1本のシュートも打たせないと。パスの出所に、よりプレッシャーをかける、最後のゴール前に送られたボールに対して、相手に自由にプレーさせないように、もっと徹底しないといけない。攻撃は点が取れているので、なかなか見えない部分はあるけど、二次予選でやったことがセルビア戦のときに、相手が今日みたいに5-4-1に構えてきたときに、流れの中から点が取れなかった部分では、最終予選の相手も強固な守備を持って戦いに挑んでくると考えられるので、時間とスペースがない中でも、相手のディフェンスラインをこじ開けていける、突破できるようにするというクオリティはもっと上げないといけないと思う」

――非常に長い国内でのキャンプとなったが、チームの成熟を実感したのは。
「3週間の大会のような活動の中で、まずはコロナ禍にあって、もしかしたら予選がセントラルになるかもしれないということを考えると、コロナ対策をしながら戦うことになることがあり得るかもしれないので、シミュレーションというか良い経験になったと思う。その中で、コロナ対策しながら、ホテルに帰っても、食事のときも学校の教室で黒板に向かって一人ずつ食事をして、周りとのコミュニケーションもなかなか取れない。部屋の行き来もできないので、ほぼほぼ部屋に閉じこもりきりな生活をして、選手たちはかなりストレスがあったと思うが、そこを毎日我慢しながら、ピッチ外の生活をしてくれて、練習や試合のときはしっかりと集中して臨んでくれた。これはなかなか一般の方々に知ってもらうことは出来ないので、ぜひ皆さんの力で伝えてほしいなと思います」

――攻守の切り替えの早さはコンセプトだと思うが、2次予選を通じての積み上げ、今後への手ごたえを持った?
「選手たちはまずは攻撃のクオリティにこだわりを持ちながら、ボールロストした瞬間から守備に切り替えてボールを奪い返すという部分を意識してやってくれた。それを具現化するために、距離感を良くして戦うという部分。攻撃においても守備においても意識して、レベルアップしてくれていると感じている。おそらく試合をしながらチームとして有効ではない、効果的でないということであれば、選手たちも続けてくれていないと思う。間違いなくこれから勝っていくためのベースとなる部分だと思っています。ただこの結果が次の勝利を約束してくれるものではないので、気を引き締めて、さらにレベルアップできるようにしていきたい」

――チームの仕上がりは何パーセント?
「どうなんでしょう。ただ選手層を厚くしながら戦うというベースのレベルアップはできてきていると思う。そこは確実に前進できているが、何パーセントという部分に関しては、目標は限りなく高いところにあるので、評価してくださる皆さんにお願いしたい。例え100パーセントであっても最終予選に勝てる保証はないので、常にレベルアップしていくことを考えていかないといけないと思っています」

――最終予選はセントラル方式、ドーハでやる可能性が出てきているが。
「出来ればホーム&アウェーがいいが、決まったレギュレーション、どんな環境になっても準備すること。チームとして100パーセントの状態で戦えるように準備していきたい。絶対に最終予選を突破して、その先の目標に向かって進んでいきたい。ドーハの悲劇の悔しさを晴らす?はい。悔しさは晴らしたいですし、目標を絶対に達成したいと思います」

――今後のチーム作りについて。
「まずはその時の環境においてベストだと思えるチーム編成をしたい。これまでもより最強のチームを作っていくということを考えて活動してきたが、コロナ禍でなくてもどういう招集条件で試合ができるか分からない。日本代表に相応しい選手はたくさんいるので、その時の条件に応じて、チームを編成していきたいと思っています」

――22日に発表される東京五輪代表メンバーについて。
「18人に絞らないといけないことは非常に難しい作業になる。まずは東京オリンピックチームとして活動してきた中で、関わってきてくれたすべての選手のことを思いながら、選考に繋げていきたい。今回の6月の活動が最終選考に向けてベースになるが、すべてを今回の活動の中で選ぶということにはならないかもしれない。横内監督以下、スタッフともう一度、話をしながら決めていきたい。またオーバーエイジの選手が来てくれて、チームに合流してくれて間違いなく安定した戦いになった。オリンピック世代の選手たちも高い基準でさらにレベルアップする刺激になったと思う。同時にオーバーエイジを呼んだことで、オリンピック世代の3人を削らないといけない。そこは本来選ばれてもおかしくない選手への想いも巡らせながら、オリンピック本大会に挑みたいと思います」
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