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インパクト大の動き見せたU-16日本代表候補MF安藤阿雄依。「誰にも負けないドリブラーになって、点も獲る」

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U-16日本代表候補MF安藤阿雄依(清水ユース)は練習試合で際立つような動き

[7.7 練習試合 U-16日本代表候補 2-3 千葉U-18]

 7日に練習試合2試合を戦ったU-16日本代表候補メンバーの中で、際立つような動きを見せていた。05年早生まれの高校2年生、MF安藤阿雄依(清水ユース)は得意とする縦へのドリブルで止まらない存在に。抜群のスピードに加え、身体をぶつけられても前へ出る体幹と馬力、また技術力も表現するなどインパクト十分のパフォーマンスだった。

 右サイドからのドリブルとクロスでシュートシーンを演出したほか、個で中央まで潜り込むなど、前半から鋭い動き。後半5分には、こぼれ球に反応して強烈な左足シュートを打ち込む。さらに12分には、右中間から縦への動きで相手アンカーを振り切ると、そのままゴールへ向かうドリブルでPAへ侵入し、右足を振り抜いた。

「(12分のシーンは)負けていたじゃないですか。一番得意な形で、絶対縦行ってシュート行こうと決めていました」。自分で決めに行って放ったシュートは、わずかにゴール左へ。仕留めることこそできなかったものの、最も脅威になっていたドリブラーはその後も右サイドでのスピードに乗ったドリブルやクロス、スルーパスでチャンスを演出していた。

「自分はドリブルが得意で縦とかも自信があって、それを意識してやって、試合でドリブルとかも出せたのでインパクトとかも出せたんじゃないかと思います。(以前に比べて逞しさが増したのは)結構身体小さい方なんですけれども、日頃から体幹とかやっているので、それが積み重なって、強くなったんじゃないかなと思っています」

 スピード、力強さは取り組みの成果のようだ。昨冬、動画サイトで「負けない体作りの方法」を検索し、ゴムチューブを活用したトレーニングを導入。ゴムチューブを腰に巻いて10秒間全力ダッシュをするなど、毎日取り組んだことで自身も実感するほどのスピード、パワーを身につけることができたという。

 前回5月のU-16日本代表候補合宿は本調子でなく、特別目立っていた訳ではない。だが、「もっと自分をアピールとしようと思って」来た今回は、ボールを持ったら全てドリブルするくらいの覚悟で試合へ。その上で上手く周囲も活かしていた。

 U-16日本代表の森山佳郎監督も安藤については「この合宿で一番光っていたというか……」という高評価。「自分のやりたいことだけじゃなくて、チームがポジティブに作用するような働き含めて存分に発揮してくれたのは安藤が一番だったかなと思いますね」。クラブでも、先発に定着し、大きな期待を受けている2年生は、貪欲に上を目指している。

 年代別日本代表チームで「誰にも負けないドリブラーになって、点も獲るみたいな。エースストライカーじゃないですけれども、そのような存在になる」ことが目標だ。国内だけでなく世界で活躍するために、フィジカル面も、スピードも、技術も、課題の運動量もさらに強化する考えだ。

 ブラジル代表FWネイマールや、自分が対戦した相手のドリブルも真似ながらバリエーションを増加。清水ユースでカットインからのシュートなども磨いてきた安藤が、貪欲に進化を続けて“誰にも負けないドリブラー”、そしてゴールを連発する選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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