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先制ゴールに“幻”豪快弾と欠かせぬ存在感…負傷懸念もMF伊東純也「打撲なので個人的には大丈夫」

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MF伊東純也(ゲンク)

[11.11 W杯アジア最終予選 日本1-0ベトナム ハノイ]

 5バックで守備を固めるベトナム相手に苦戦を強いられた中、ただ一人MF伊東純也(ゲンク)は脅威を与え続けていた。前半17分には爆発的なスピードを活かし、最終予選初ゴールとなる決勝点も記録。試合後のオンライン取材では「もっと点を入れて勝ちたかったけど、しっかり勝てたのでまずはよかった」とほっとした様子で話した。

 5-3-2のフォーメーションでスペースを消してきたベトナムに対し、なかなか効果的な攻撃を繰り出すことができなかった日本。それでも前半17分、素早い速攻から伊東が試合を動かした。

 相手ゴールキックをDF冨安健洋とMF遠藤航が弾き返し、FW大迫勇也のポストプレーから左サイドをMF南野拓実が攻め上がると、グラウンダーでのクロスが伊東のもとへ。「カウンター気味で拓実がうまく裏に抜けたので、とにかく相手の前に入って、速いボールが欲しいと思っていたら、拓実からいいボールが来たので押し込むだけだった」(伊東)。相手ディフェンスを振り切るスピードが活きた先制ゴールだった。

 さらに前半40分、圧巻のプレーが飛び出した。相手セットプレーを起点とした波状攻撃を大迫がカットし、左サイドへのパスに伊東が反応。積極的なドリブルでサイドを攻め上がると、スピードに乗ったカットインから弾丸シュートをゴール左上へ。VARの介入でオフサイドと判定されたが、決まっていれば最終予選ベストゴール級のゴラッソだった。

「サイドのところで1対1だったので仕掛けようと思って、最初はクロスを上げようと思ったけど、カットインして打てるなと思って打ったらいいコースに行った」。そう振り返ったフィニッシュは本職左サイドもびっくりするような一撃。「いつもやっているサイドじゃないので得意ではないけど、右利きなのでカットインしたらシュートは打ちやすい。うまくハマった」と照れ笑いも浮かんだ。

 そうした伊東の活躍もあり、日本はなんとか勝ち点3を奪取。この試合に向けては搭乗していたチャーター機が給油先のロシアで足止めに遭い、ベトナム入りが大幅に遅れたことで全体練習は前日のわずか一度しかできなかったが、最低限の結果をもたらしてみせた。

「起きてしまったことはしょうがないので、飛行機の中でしっかりリカバリーできるようにしたり、リラックスできるだけして回復させることを考えていた。一日しか練習はできなかったけど、みんなで話して合わせて今日の試合に臨めたと思う」。そんな自己管理の跡は、ピッチ上でもしっかりと表現されていた。

 なかなかトレーニングの時間が取れない代表チームの活動において、一人で局面を打開できる伊東の存在は絶大。この日は90分間フル出場で走り抜いたが、16日のオマーン戦でもこれまでどおりの活躍に期待がかかる。

 そうした中、終了間際の接触で受けた左膝の打撲は懸念要素か。

 それでも伊東は「最後にスライディングしてカットした時にどこが入ったかわからないけど、相手の全体重が乗っかってきたので圧迫してアイシングしているところ」と状態を説明しつつ、「打撲なので個人的には大丈夫かなと思っている」と無事を強調する。

 次の対戦相手のオマーンは4-3-1-2のシステムで中央に人数をかけてくるため、サイド攻撃が大きな鍵。伊東は「前回も結構サイドからチャンスをつくれていたけどゴールにならなかったので、今回はしっかりゴールに結びつけたい」と力強く意気込んだ。

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