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鮮烈1G1Aでサウジ撃破…W杯最終予選4戦連発の伊東純也「個人的には半分ラッキー」

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MF伊東純也(ゲンク)

[2.1 W杯最終予選 日本2-0サウジアラビア 埼玉]

 グループ首位のサウジアラビアを相手に圧巻の1ゴール1アシスト——。MF伊東純也(ゲンク)がまたしても日本代表を救う大活躍を見せた。この日の勝利により、森保ジャパンは7大会連続のワールドカップ出場に王手。伊東は「最初3試合で2敗してしまって難しい状況だったけど、みんなが諦めず一丸となってやったから近づいてきているのかなと思う」と胸を張った。

 昨年10月の対戦ではサウジアラビアに0-1で敗れていた森保ジャパン。しかし、同じ相手に2度も敗れることはなかった。キーマンとなったのは前回対戦を出場停止で欠場していた伊東。相手のストロングポイントが左サイドにあるということもあり、伊東は「相手の左サイドがストロングポイントで攻めてくるのはわかっていたので、裏返せればいいなと思った」と試合前からイメージしていたという。

 そんな伊東は前半29分、積極的なドリブル突破で右サイドを切り裂き、鋭いクロスで相手GKを強襲。ゴールにはつながらなかったが、チームとして最初の決定機を導いた。そして同31分、DF酒井宏樹(浦和)からのロングスルーパスに抜け出すと、自慢のスピードで相手DFを抜き去ってグラウンダークロスを供給。これを収めたMF南野拓実(リバプール)が落ち着いて左足で決め切った。

 伊東にとっては中国戦(○2-0)に続いてのアシスト。「ワンタッチで酒井くんに落とした時、相手の左サイドバックが僕に付いていたので流してもらった。今日はそうしようと思っていた。ちょっと長いかなと思ったけど、うまく入れ替わることができて、サコくん(FW大迫勇也)と(南野)拓実が見えたので、うまくあそこに入れたら決めてくれると思った」。冷静な状況判断からも調子の良さが垣間見えた。

 さらに伊東は後半5分、今度は自身のゴールでサウジアラビアを突き放した。「前半の終わりにプレッシャーがハマらなくて、俺と拓実が引きすぎてしまったのをハーフタイムに話した。後半は頭からもう1点取るぞと、CBにプレッシャーをかけて前に前に行こうとしていた」。チーム全体がハイプレッシャーで相手を押し込んだ中、DF長友佑都(FC東京)からの浮き球を受けて右足一閃。豪快なボレーシュートをファーポスト脇に突き刺した。

「打たなきゃ入らないので、思い切って打って、ファーに吹かさず打とうと思ったらいいところに入った。2点目を取りたいと思って後半に入っていたのでよかった」。そう振り返った伊東はこれでW杯最終予選4試合連続ゴール。ロシアW杯予選でのMF原口元気の記録に並んだ。

 それでも伊東は「正直そんなに試合中は考えていなかったし、チームが勝つために最善をやろうと思っていたら、たまたまゴールできて、チームが勝てたのでよかった」とあっさり。「シュートは個人的には半分ラッキーというか、思ったところに、思い切って打ったけど、いったところはラッキーだった」とも苦笑いで振り返り、「それよりアシストとか、1対1でクロスを上げたところが個人的によかったと思う」と自身のプレーにフォーカスしていた。

 とはいえ、そんな伊東の活躍によりチームは2-0で勝利。3月24日に敵地で行われる次戦・オーストラリア戦に勝てばカタールW杯出場が決まる状況に持ち込んだ。次の決戦で世界行きを決めるためにも伊東のパフォーマンス維持は不可欠。「まずチームに戻ってしっかりと結果を出して、また代表に呼ばれたらしっかりそこでも結果を出したい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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