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[J-VILLAGE CUP U18]U-17代表は中学2年生に得点許すなど昌平に1-3で敗戦。今回の経験、悔しさを力に

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U-17日本代表は1勝3敗で大会を終えた

[3.21 J-VILLAGE CUP U18順位決定戦 U-17日本代表 1-3 昌平高 Jヴィレッジ]

『第4回 J-VILLAGE CUP U18』最終日(21日)、冨樫剛一監督率いるU-17日本代表は昌平高(埼玉)と対戦した。U-17日本代表はGK中村圭佑(静岡学園高)、DF北島郁哉(鳥栖U-18)、石川穂高(昌平高)、畑野優真(横浜FMユース)、石川晴大(清水ユース)、アンカーの林奏太朗(鳥栖U-18)、小池直矢(前橋育英高)と幸喜祐心(琉球U-18)の2シャドーに、早川隼平(浦和ユース)、小田晄平(昌平高)、石井久継(湘南U-18)を前線に配置。

この試合の前日に行われた予選第3戦のU-17日本高校選抜戦では0-2の完敗。冨樫監督から「戦術の前に戦う面で相手に負けている」という檄を受けたU-17代表は、立ち上がりこそボールを握りながら、最前線の小田のポストプレーを起点に前への推進力を出せていたが、8分にカウンターから昌平の中学2年生であるMF山口豪太に個人技で突破を許し、先制点を献上すると、そこから防戦一方となってしまった。

 11分にはビルドアップの途中で相手にインターセプトをされてピンチを招くと、18分には中学3年生FW鄭志錫に角度のないところから強烈なシュートを突き刺され、早くも2点のビハインド。その後も相手の素早いパスワークに翻弄されてしまう。

 ようやく29分に小池のクサビのパスを受けた小田が右サイドの石川晴に展開。石川晴のクロスをファーサイドで石井がダイレクトシュートを放つと、昌平GK上林真斗が弾いたこぼれを幸喜が体で押し込んで1点を返した。

 しかし、これで流れは変わらなかった。34分には昌平MF長準喜が山口との連携から強烈なシュートを放つ。27分には山口が3人を剥がしてマイナスの折り返し。U-17代表はいずれも中央でDF陣が体を張って防いだが、なかなか反撃の糸口を掴めなかった。

 後半、U-17代表はメンバーをGK中村以外総入れ替え。DFラインは田村心太郎(柏U-18)、由井航太(川崎U-18)、市原吏音(大宮U18)、舩木大輔(横浜FMユース)。アンカーは碇明日麻(大津高)で、大関友翔(川崎U-18)と廣井蘭人(帝京長岡高)の2シャドー。前線は鈴木陽人(名古屋U-18)、後藤啓介(磐田U-18)、安藤阿雄依(清水ユース)が並んだ。

 それでも、悪い流れは断ち切れない。4分、昌平の長準がゴール前のイーブンボールを制すと、ドリブルからのスルーパスで鄭が抜け出した。鄭は飛び出してきたGK中村と1対1になると、中村の位置をよく見て、冷静に左足シュートを流し込んで3点目。さらに劣勢に立たされたU-17代表は、8分に碇のインターセプトからカウンターのチャンスを作るが、ラストパスの精度を欠いてゴールには結びつけられず。後半アディショナルタイムにようやく猛攻を仕掛けることが出来たが、昌平の体を張った守備にゴールをこじ開けられず。U-17代表は1-3で昌平に敗れ、1勝3敗で大会を終了した。

「自分に足りないのはフィジカルとハードワーク。冨樫さんに言われてから気づくのは遅いと思うので、もっと意識を高く持ちたい」と前日の試合後に大関が口にしていたように、今回の4試合を通じて戦う姿勢という面では甘さを露呈したU-17代表。今大会は1学年上が相手だったということを差し引いても、もっとワンプレーに対する貪欲さは欲しかった。というのも、冨樫監督はU-19日本代表の監督でもある。「冨樫さんが僕らの年代のことを率いてくれることは滅多にない。このチャンスを生かさないといけない」(大関)と、選手たちも2世代上の代表チームに引き上げてもらえる大きなチャンスだったことを理解していた。もちろん、大関はU-17高校選抜戦で抜群の働きを見せたし、安藤も4戦を通じて恐ろしいまでの切れ味のドリブルを存分に披露した。

 個別でアピールに成功をした選手もいるが、やはりそこはチームとしての強度であったり、試合運びに繋げることが一番のアピールになることは間違いない。最終戦の相手である昌平は2人の中学2年生がスタメンで出ており、結果としてその1人である山口に先制点以外でも突破を許すことが多かった。大会を通じて彼らの中でも不完全燃焼というべきか、やり切ったとは言えない心境が残ったに違いない。

 今回の経験、悔しさを力に変えないと意味がない。それぞれの所属チームに戻って、相手がどこであろうがハードワークの意識と勝利への渇望を持ちながら自己研鑽をすることが、今大会の大きな意義になるのだから。

(取材・文 安藤隆人)

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