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パリ五輪世代のU-21日本代表がドバイ杯制覇の快挙、大岩監督「有意義な大会だった」

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大岩剛監督

[3.29 ドバイ杯U-23順位決定戦 U-21日本 1-0 U-23サウジアラビア ドバイ]

 パリ五輪世代のU-21日本代表は29日の順位決定戦でU-23サウジアラビア代表に1-0の勝利し、今大会全勝で優勝。大岩剛監督体制は初陣で初タイトルを手にした。指揮官は試合後のオンライン取材で「アジアと実際に戦ってみて、レベル、対戦相手の質を体感できたので、有意義な大会だった」と振り返った。

 U-21日本代表は今月上旬に発足。十分な練習時間がないまま、23日にドバイカップU-23が開幕した。23日のU-23クロアチア代表戦で1-0の勝利を飾ると、現地の環境に慣れてきた第2戦のU-23カタール代表戦では2-0と快勝。そして、同じく連勝で首位決勝対決となったU-23サウジアラビア代表戦でも、FW細谷真大(柏)のゴールを守り切り、1-0で接戦を制す。カタールやサウジアラビアはひとつ上の世代のチームだったが、それでも屈さず。全試合無失点で3連勝の優勝を果たした。

 U-21日本代表は試合後に表彰式に参加すると、即座に帰国の途に。慌ただしい中でも大岩監督がオンライン取材に応え、「このチームを立ち上げて日が浅いですけど、遠征だったり、全員が揃って日常をともにすることの重要さというか、チームが少しずつ前に進んでいくことを実感できた。非常にいい時間になりました」と振り返る。発足から時間のないチームは大きな経験値を獲得。「アジアと実際に戦ってみて、レベル、対戦相手の質を体感できたので、有意義な大会だったと思います」と手応えを語った。

 指揮官が特に称えたのは、3試合をすべて無失点で終えた点。「3試合無失点で終えられたところは評価していいと思います。ただ、これは守備陣だけじゃなく、前線からのしっかりとした連動した守備をコンセプトに掲げていますので、攻め込まれる時間は長かったんですけど、選手を変えながら、勇気を持ったDFラインの設定、あとはGKとの連係というところも、非常によかった。全員に守備の意識、攻撃の意識、そういうところが出ていた」。3試合でクラブ事情などにより離脱したメンバーもいたが、招集25名は全員出場。大岩監督は全員で手にしたタイトルを強調した。

 01年生まれ以降が対象となる2024年パリ五輪に向け、好発進となった。20歳前後の若武者たちはさらに加速度的な成長が期待される。大岩監督は発足段階から「A代表経由のパリ五輪行き」と強調。A代表に選出されるまでのレベルアップを図り、パリ五輪へのスケールアップを狙っている。改めて、今大会をともに戦ったメンバーたちの印象を語った。

「年代を考えれば、可能性しかないと感じています。代表として戦う心構え、アイデンティティは10代だろうと20代だろうとA代表につながっていくところ。しっかりと国際大会で感じたであろうと思います。きょうサウジアラビアのU-23とやりましたけど、レベルの高い相手と戦えた、体感したということで、自分がどう成長していくかの基準が見れたと思う。そういう意味では可能性しかない。期待しながら、厳しい目で、A代表に入るという基準を求めていきたいです」

 U-21日本代表は今後、6月にウズベキスタンで行われるAFC U23アジア杯に参加。また、9月には中国で開催されるアジア競技大会に参加する。

■選手
▽GK
1 小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)※1
23 佐々木雅士(柏)
12 鈴木彩艶(浦和)

▽DF
17 成瀬竣平(名古屋)
18 内野貴史(デュッセルドルフ)※1
21 大畑歩夢(浦和/負傷により不参加)
2 西尾隆矢(C大阪)
16 木村誠二(山形)※3
14 加藤聖(長崎)※2
3 馬場晴也(東京V)
4 半田陸(山形)※3
25 鈴木海音(栃木)※2
27 チェイス・アンリ(尚志高)

▽MF
24 松村優太(鹿島)
15 川崎颯太(京都)
10 斉藤光毅(ロンメル)※1
26 鮎川峻(広島/負傷により不参加)
7 山本理仁(東京V)
6 藤田譲瑠チマ(横浜FM)
5 田中聡(湘南)
13 松木玖生(FC東京)※4
20 甲田英將(名古屋)※4

▽FW
22 藤尾翔太(徳島)※4
19 小田裕太郎(神戸/負傷により27日に離脱)
11 細谷真大(柏)
9 鈴木唯人(清水)
8 荒木遼太郎(鹿島)

※1:ドバイで合流、解散
※2:22日にドバイで合流
※3:22日にドバイで合流、27日に離脱
※4:27日に離脱

(取材・文 石川祐介)
▼ドバイカップU-23 2022特集ページ
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