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日本vsパラグアイ 試合後の森保一監督会見要旨

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日本代表の森保一監督

[6.2 キリンチャレンジ杯 日本4-1パラグアイ 札幌ド]

 日本代表は2日、札幌ドームでのキリンチャレンジカップでパラグアイ代表と対戦し、4-1で勝利した。

以下、試合後の森保一監督会見要旨

「選手が高い目標を持って戦ってくれた。札幌ドームで有観客の中、サポーターに見ていただけて、さらにはメディアを通して見ていただけたと思うが、選手たちの頑張りで元気や勇気を感じてもらえたらうれしい。試合前から話していたが、我々は18年9月6日の北海道胆振東部地震でチリ戦の前に札幌で被災した。そのときに札幌の皆さん、北海道の皆さんに心温かくサポートしていただいて、街の機能が失われる中、安心して過ごすサポートをしていただいた。そんな皆さんに札幌の地で、有観客の中でプレーをして恩返ししたい、元気や勇気を届けたいと思っていた。選手の気持ち、チームの気持ちが伝わるとありがたいと思う。

 試合については、W杯に出場する日本とW杯に出場することができないパラグアイの対戦だったが、パラグアイは南米では強豪だ。我々の選手たちはW杯で結果を残すために個々でアピールする、チームで組織的に戦うために連係連動するという部分で、個のアピールとチームとして戦う姿勢を持って、W杯に向けて成長していこうという姿勢を見せてくれた。選手がしっかり準備して戦ってくれたことを評価したい」

―いろいろ試すことができる試合だった。
「選手にはだれが出ても勝つということ、だれと組んでもチーム力を落とさず戦えることを今日の試合で見せてほしいと、昨日の練習やミーティングで話した。W杯に向けて、選手個々のメンバー入りを目指すアピールの場だと思うが、個々の特徴を出しながらチームとして機能する、勝利を目指して戦い抜く姿勢を見せてくれた。選手個々のチャレンジ、チームとしてのチャレンジをしながら結果に結びつけられたことはよかった。今回招集したメンバーはもちろんだが、招集できなかった選手も含めて、日本の強化のためにW杯に向けて前進していきたい気持ちに選手たちがさせてくれた」

―浅野の評価は。
「まずはFWとして得点を決める、チームの勝利に貢献するという彼の特徴を発揮してくれて、評価したいと思う。得点を挙げるだけでなく、得点シーンは最初に体を張ったところから起点になって、もう一回動き出している。シンプルに背後を狙うのではなく、チームとしてボールを保持しながら攻撃しようという中で、起点になる部分、背後を狙う部分、そして前線からの守備もW杯では不可欠なこと。そういう意味で攻守に絡んでくれたと思う。スピードのある選手のスピードを生かしたいが、簡単にボールを失って守備をしないといけない時間が長くなればなるほど、我々は疲弊する。W杯の対戦相手、実力を考えたとき、速攻ができるときは速攻を仕掛けるが、やみくもではなく、ボールを保持しながら相手の守備を突破していくというところで、選手たちは守から攻へつなぐ部分、ゆっくり攻めながら相手の守備を崩していくところを今日の試合でチャレンジしてくれた。トップの選手でもある浅野が起点になってくれて、前線で役割を果たしてくれた」

―最終予選のときよりも声が枯れているが。
「最終予選の最後のベトナム戦は割と静かだったかもしれない。そこまで声のトーンを上げることはなかったかもしれないが、今日は有観客で、音が反響する中でやっていたので選手に声が通らなかったので、声を張り上げたところはあった。最終予選は重要な厳しい戦いの中で、外からピッチに向けてコーチングしていたが、アジア予選を勝ち抜いて終わりではなく、W杯で勝っていくために、結果を残すために、さらに上を目指さないといけないということで自然と力が入って、声のトーンが上がったのかもしれない」

―あえて課題を挙げると。
「4点取って、シュートは20本以上打っている。チャンスを作る、得点を決めるところでは選手の頑張りを評価しないといけないが、まだまだクオリティー高くやれたと思うし、守備から攻撃という部分、奪ったボールを攻撃に結びつける部分では、まだまだ合わない部分もあった。これから世界で戦ううえで、よりレベルの高い相手と激しく厳しい、時間とスペースがない中で戦う。守備の時間が長くなるが、守備をしたあとにクオリティーの高い攻撃をしないといけない。守備だけに回されてしまって疲弊することを考えると、守から攻へ、奪ったボールを攻撃につなげないといけない」

―シュミット・ダニエルの評価は。
「しっかり準備してくれたし、代表で久しぶりにプレーするということで、過緊張にならず、チームでやってきたことを試合で出そうと落ち着きがあったところはよかった。ボールがないときのコーチング、オンザボールでのハイボール、シュートストップと、彼の持っている良さは出たと思うし、ビルドアップでも近くにつなぐ、相手のプレッシャーを回避して精度の高いパスを出すという彼の良いところがたくさん出ていた。失点に関しては、奪ったボールを簡単にクリアするのでなく、何とかつなげて、守備だけに回らないようにということで、つなぐというところをDFラインはトライしようとやってくれたので、失点は痛いが、DFラインのトライ、奪われたあとの守備は悪くなかったと思う」

―インサイドハーフで起用した鎌田の評価は。
「ドイツの厳しい戦いの中でシーズンを通して戦って、普段どおりやれば代表でも良いプレーができるというところを見せてくれた。ヨーロッパリーグでも優勝しているし、普段やっていることに自信を持って、今日の戦いにも自然体で臨み、攻撃を牽引するプレーを見せてくれた。ハードワーク等々、チームへの献身的な守備の部分、切り替えの部分も意識して、まずは攻撃で自分の良さを出しながら、チームの戦いの中で切り替えの部分や守備の部分でも貢献してくれて、彼のできることをしっかりプレーで表してくれたと思う。ゴール前に飛び込む姿勢で本人もめずらしくヘディングで決めたということをコメントしていたが、フランクフルトでも中盤で起点になったあと、さらに裏に飛び込んでいくというプレーを見せている。チャンスメイクだけでなく、自分が決めるところも彼自身のレベルを上げていると思うし、高い志を持ってプレーしていることを示してくれた。W杯での戦いはもっと激しく厳しい、時間もスペースもない中でプレーするが、その中で彼の良さを出してくれるようにしてほしい」

―デビュー戦となった伊藤洋輝の評価は。
「A代表初招集で今日の舞台に立つということで、いろんな彼の期する思い、緊張もあったと思うが、彼の持っているポテンシャルを示してくれた。守備の部分ではチームでやっているように、高さも含めて彼の持っている身体的な能力と戦う姿勢を出してくれたと思う。攻撃の部分でも起点になる、味方を助けるフリーランニングなど、意欲的でアグレッシブな姿勢を見せてくれた。失点の部分では、守備から攻撃につなぐところでミスもあったが、トライしたうえでのミスだったと思う。そこはこれからもミスを恐れることなくチャレンジ精神を持ってプレーしてほしい」

(取材・文 西山紘平)
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