[6.3 AFC U23アジア杯 日本 2-1 UAE タシケント]

　U-21日本代表は追いつかれる1-1の展開で、後半25分にPK献上という絶体絶命のピンチ。しかし、ゴールに立ちはだかったのはGK鈴木彩艶。横っ飛びで相手のシュートを防ぎ切った。「相手を見ながらです。嬉しかったです」と冷静にそのシーンを振り返る。

　パリ五輪世代のU-21日本代表は、U-23世代の年上チームが多く出場するAFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022に参戦。3日に初戦でUAEと対戦した。前半をスコアレスで折り返すと、後半16分にFW鈴木唯人が待望の先制ゴール。だが、ここから流れは一気に悪くなる。得点から2分後に失点を喫すると、同25分にはDFチェイス・アンリのハンドの判定でPKを献上してしまう。

　失点から守勢に回る中、鈴木彩の心は揺らがない。「失点した後のマインドの部分で、自分は常に冷静に対応できていた。落ち着いてプレーできた」。それはPKのシーンでも同じだった。決まれば勢いとともにリードを与えてしまう場面。「相手を見ながら」と相手のゴール左へのシュートを横っ飛びセーブ。ドンピシャで止めてみせた。

　試合後には「こういう大会で止めるのは初めてだった」と笑顔。鈴木彩のスーパーセーブで一気に息を吹き返した日本は、後半31分にFW細谷真大が勝ち越しゴールを挙げ、2-1で接戦を制した。「止めた後に仲間がしっかりと点を決めてくれた。本当に難しいゲームでしたけど、勝ち切ることができてよかった」。得点者を称える守護神だが、間違いなくこの試合のターニングポイントは鈴木彩のPKストップだった。

(取材・文　石川祐介)

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