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21歳バースデーの久保建英が取材対応…赤裸々に明かした“誤算”「もったいないことをした」

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6月3日、20歳最後のトレーニングを行ったMF久保建英(マジョルカ)

 日本代表のMF久保建英(マジョルカ)が21歳の誕生日を迎えた4日、報道陣のオンライン取材に応じた。「そんなに友達にも祝われなかった。そんなに友達が多いほうではないので、何人かに祝われればいいけど(笑)」と冗談めかしつつも、「W杯もあってシーズンもイレギュラーになる。まずはW杯を経験できるように頑張って、残りの半年間を大事にしていけたら」と抱負を語った。

 2001年6月4日生まれの久保は2019年6月にA代表デビュー。これまで国際Aマッチ16試合に出場してきた。デビュー当初は18歳だったこともあり、最年少ゴールの樹立も期待されていたが、東京五輪活動によるA代表招集外や新型コロナウイルスで国際試合が中止となった影響もあり、ここまでいまだノーゴール。代表の舞台では苦しむ姿が目立っている。

 久保にとって誤算だったのは、昨年9月下旬の膝の怪我だった。9月上旬に行われたカタールW杯アジア最終予選の中国戦(○1-0)で先発出場し、トップ下のポジションで躍動感を見せた矢先、ラ・リーガ第6節のR・マドリー戦(●1-6)で前半45分間の出場に終わったのを最後に約2か月にわたって戦線を離脱。A代表でも10月、11月の大事な最終予選の活動を回避する形となった。

 久保は「クラブチームで欲張って中3日で出て怪我をして、もちろん同じ試合がもう一回あったら出たけど、チャンスがあった中でそれを失ってしまった。誰も悪くない形でふいにしてしまった」と当時を振り返りつつ、「手応えを感じていた矢先の怪我だったので、もったいないことをした」と悔やんだ。

 プロ入り後初めて経験した長期離脱。自身が思い描いていたサッカーキャリアを歩んでいく上でも、想定外の重みがあったという。

「いままで基本的には思い描いていた通りというか、『ここでこうしないといけない』という漫画の締め切りみたいなのを決めてサッカーをやってきている中、何個かは遅れたりしたけど、これまでは予想の範疇だった。ただ、今ごろ(W杯の半年前)は代表のスタメンで出ていないといけないなというのは去年のいまくらいにあった。このまま行くかなと思った矢先、ゼロからのスタートになってしまって、計算と合わないと思っている僕もどこかいる」。そう赤裸々に明かした久保は「一回掴んだものを手放すのはこんなに苦しいのか」という内心を吐露した。

 そうした葛藤は焦燥感となり、今月2日に行われたキリンチャレンジカップ・パラグアイ戦(○4-1)にも後ろ向きな影響を及ぼした。「代表に帰ってきて一旦フラットな状態からの1試合目で、立ち位置が嫌でも見えてきたので、焦りが生まれた。所属チームの活動では基本的には試合に出ていたけど、試合に出ていない時もどこか冷静に出番を待っている自分がいた。ただ、この前の試合はいろいろ考えることがあってうまく試合に入れなかった」。数多くの選手がアピールした中、後半26分から右ウイングでプレーした久保は見せ場をほとんどつくれなかった。

 それでも久保の言葉は力強かった。「どんな立ち位置かというのを教えられた気がした。それは認めざるを得ない。人は3か月もあれば変われるので、虎視眈々とチャンスを狙っていきたい」。チーム内のサバイバルについても「2か月も離れていた選手に自分の席があるというのはレジェンドクラスにならないとどこの代表でもない。他の選手が調子を落とすのを待つより、なんとかできることをやってそこに割り込んでいきたい」と述べ、レギュラー奪取を宣言した。

 21歳で迎えるワールドカップイヤー。「上を目指していかないといけないチームになりつつある日本代表の一員になれるよう、これからの5か月頑張りたい。チーム探しもそういったことを加味して、幅広く視野を持っていいチームを決めたい。ブラジルにはビッグクラブでレギュラーの選手がベンチ外というのもあったが、日本代表はそうではない。このままボンとステップアップして、ビッグクラブのレギュラーになれば立ち位置も変わる」。来季の所属先探しにも具体的に言及した久保は「W杯はサプライズがあって当たり前。(原口)元気くんが『大事なのは本番』と言っていたので、自分がいいサプライズになれればと思っている」と闘志をたぎらせた。

(取材・文 竹内達也)
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