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日本代表E-1選手権メンバー発表 森保一監督・池田太監督会見要旨

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池田太監督、森保一監督

 日本サッカー協会(JFA)は13日、オンラインで記者会見を行い、E-1選手権に臨む日本代表と日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバーを発表した。

 メンバー発表会見では男子の森保一監督、女子の池田太監督、JFAの反町康治技術委員長、佐々木則夫女子委員長が約45分にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

●反町康治技術委員長
「E-1選手権がいよいよ始まる。26名、森保監督とスタッフ含めて話した結果こうしたメンバー発表に至った。E-1選手権は今回が9回目になるが、そのうち日本は優勝は1回だけ。韓国は5回で中国は2回。そうした意味でも日本はこのホームで日本でやる大会だというのも含めて優勝目指してやっていきたい」

●佐々木則夫女子委員長
「E-1選手権、なでしこジャパンはカシマスタジアムでやる。ぜひカシマスタジアムに足を運んでもらいなでしこジャパンを応援してもらいたい。メンバーに関しては新鋭の若い選手、初めての選手もいる。新たな選手の躍動も楽しめると思うのでぜひ注目していただきたい。もちろん優勝を勝ち取ってくれると思うので皆さんのご支援をお願いしたい」

森保一監督(男子)
「このE-1選手権でわれわれは優勝することを目標に戦いたい。また戦いの中で日本の選手層をより厚くする、結果をもって内容をもってW杯に向かっていければと思う。今回のメンバー編成は国内組、Jリーグで活躍している選手のメンバー編成となった。国内組の価値を上げる、Jリーグの価値を示す戦いができればと思っている」

池田太監督(女子)
「E-1選手権のメンバーを決めるにあたり、なでしこジャパンは来年7月にW杯が開催される。約1年後に向けてしっかりした底上げをしたい。また代表経験の浅い選手、いろんな組み合わせを試す場にしながらさらに勝利を目指すことを考えてメンバー編成を進めてきた。試合のみならず、E-1選手権の間に行われるトレーニングの中でそれぞれの選手の個性や成長、特徴をつかみ、チームとして一つずつ成長させていければと考えている」

―(森保監督へ)間近に迫るカタールW杯を見据えた上でどういう大会にしたいか。またどういう意識づけをしたいか。
「このE-1選手権は一つのタイトルを争う大会なので、日本代表として優勝を目指して戦うところを選手たちとも共有して戦いに臨みたい。その中でW杯につなげていくために選手のパフォーマンスを見て、これまで招集した選手、そしてこれからW杯に向けて選手たちのスカウティングをしながらメンバーを決めていく選考という部分も含めて戦いたい」

―(森保監督へ)首位の横浜FMから最多7人の招集となったが。
「シンプルにいまJリーグでトップを走っているチームだということ。そして内容的にも強度の高いインテンシティーの高い戦いをして、チームとしての戦術的な戦いをしながらも個のクオリティーを発揮する部分。試合を視察する中でメンバーを決めた。個人的にもチームとしても結果を出しているということはまず評価しないといけないし、今回は基本的にはJ1の18チームを対象にスカウティングをしてきて、日ごろからしている中でもさらに深くE-1選手権に向けて視察し、メンバー選考をしてきた。他のチームにもたくさんいい選手はいて、非常に選考が難しいところはあったが、やはり結果という部分をしっかり受け止めながら、個のクオリティーを見ていくということをさせていただいた」

―(反町技術委員長へ)小池龍太が初招集だが、JFAアカデミー出身は初めてか。
反町「小池選手はJFAアカデミーで6年間、生活、トレーニングしたのちにJFLのチームに所属し階段を上ってA代表につながった。今まで活動している中でアカデミー出身はアンダーカテゴリーにはたくさんいるが、A代表に選出されたのは初めて。JFAとして力を入れてきたことが成果に現れたのはうれしいし、アカデミーに従事している人の励みにもなる。選ばれるだけでなく、試合の中で活躍することを期待したい」

―(森保監督へ)長友佑都、大迫勇也、酒井宏樹を招集しなかった理由は。
「3人はW杯でもレギュラーとして経験値が高い。E-1選手権は国内組の編成となる中、より経験の浅い選手たちに国際舞台での経験を積んでもらい、日本代表として勝利を目指す優勝を目指す戦いをして、個の成長につなげる、価値を上げるところにつなげてもらえればと思う」

―(森保監督へ)広島は6位という順位のわりに6人選ばれているが、個として見たい選手が多いのか。
「個の部分でわれわれが視察を重ねている中でいいパフォーマンスをしているということで選ばせてもらった。チームとしてもアグレッシブに戦う、攻守ともにアグレッシブな姿勢が見えている中、チーム戦術もいい戦いをしている中で、個で輝きを見せている選手を招集させてもらった」

―(森保監督へ)大迫敬介は6月に続いて呼ばれたが、彼の特性で注目している部分は。
「まず守備の部分において非常にシュートストップの反応がいい。またクロス対応等々、守備範囲を広く守れるという部分プラス、われわれは東京五輪代表のメンバー編成から彼の成長を見ているがまだまだ伸びしろがあるというところ。前回招集したキリンチャレンジカップ、キリンカップでも彼の成長を見せてもらったので今回の招集に至った」

―(森保監督へ)コパ・アメリカでも招集していた杉岡大暉、岩田智輝が復帰している。東京五輪では選ばれなかったが、ここに戻ってきたことについて。
「われわれ日本代表の活動は日々、選手を見られるということではないが、われわれの活動のたびに選手がどれだけ成長しているかを見させてもらうのは非常に楽しみだし、視察を通して選手の成長を見るのも楽しみであり、素晴らしい仕事をさせてもらっていると思う。東京五輪に選ばれなかった選手が自チームの活動を通して成長して、レベルアップしてくれているのを見られるのはうれしく思う。今回は名前を挙げてもらった岩田、杉岡がA代表に選ばれたが、もちろん違う選手も成長しているところを見せてもらっている。まだまだ自分たちの可能性を信じて成長すればもっと高いところに行けることをこの2人が示してくれればと思う」

―(池田監督へ)欧州遠征で一定の成果を挙げてきた中で、国内組に経験を積ませるだけでなく、強みを出すための試みは。
池田「欧州遠征で前線からアグレッシブに戦うところを共有しながら、得点をさまざまな選手が取れたり、さまざまなコンビネーションからの攻撃ができたのは収穫だった。さらに世界で戦うために個ではがす選手とか、相手に合わせる時間帯や、こちらがイニシアティブを取って攻めている時間帯、コントロールできるゲームプラン、ゲームの進め方もチームで共有していきたい。いろんな選手を見ていく中で、チームとして積み上げてきたものの完成度を高めるところと、個々で世界と戦えるかどうかを見極めていきたい」

―(池田監督へ)初招集2人をはじめ、新しく呼んだ選手はどこを評価したのか。
池田「WEリーグは初年度を終えてオフ期間があり、いま始動しているチームがある時期。その時期にメンバーを選ぶにあたり、WEリーグでシーズン通してのパフォーマンスの中で選手それぞれの特徴が見えてきている、自分を表現できている選手がなでしこのグループに入ったときにどのような輝きを見せるか。短い期間の評価だけでなく、WEリーグを通じて選手を選考するにあたって、このグループに入れたらどういう変化が起きるかを通年で考えたところもあった」

―(森保監督へ)若手が中心を占める中で、水沼宏太、宮市亮という選手を招集した理由は。
「2人はチームがJリーグでトップを走っている中でチームの勝利に貢献できるチームを勝たせられる存在感を発揮している選手だと思う。もちろんベテランとして、これまでの経験を活かしてほしいのもあるが、1選手としてこの代表の中で自分の存在価値を示すこと、仲間とつながりながらチームを勝たせることにフォーカスしてプレーしてほしい。2人とも特徴があって自分の武器があってチームで存在感を示している。水沼選手であればサイドで起点になってクロスで得点チャンスを演出するところ。ゴール前にも入っていける、ハードワークもできる部分。宮市選手は爆発的なスピードで上下動しながら相手のゴールに迫っていく。得点もできればアシストもできるところ。武器を持っている選手なので、その武器を思いきって発揮してほしい」

―(池田監督へ)GK平尾知佳は久々の選出となるが、理由は。
池田「彼女は怪我などいろいろあったが、新潟でのパフォーマンスもそうだし、グループとしてGK3人いる中で常に自分の役割をまっとうできるGK。クロスボールに対しての思い切りの良さなど彼女の良さを出してほしい。日頃のメンタルバランス、取り組みもパフォーマンスも安定している。今回招集するタイミングとなって呼ばせていただいた。彼女の持っているものをピッチで示して、チームに力を与えてくれれば」

―(池田監督へ)シーズンオフで平尾の様子はどう見ていたか。
池田「スカウティングはGKコーチが各所属チームのGK、GKコーチとコミュニケーションを取りながらいろんな情報を収集してきた。また過去の代表経験も含めて今回の招集になった」

―(森保監督へ)今回のメンバーは予備登録に入るメンバーだと考えているか。
「そこは分からない。W杯の予備登録メンバーの締め切りギリギリまで視察を重ねながらスタッフで議論して決めていきたい。今回選ばれた選手たちは間違いなく力を持った選手たちだが、選べなかった選手にも同等の力を持った選手たちがたくさんいる。そのときのパフォーマンスを考慮しながらW杯に向けてのリストは作っていきたい」

―(森保監督へ)2位の鹿島から選手が選ばれていないが、その理由は。
「鹿島も非常にインテンシティーの高い、攻守ともにアグレッシブな良いサッカーをしていると思う。鹿島の選手たちも候補として見ている段階では、数名の選手をリストアップしながら試合を見てきた。実際、個の選考のタイミングで移籍であったりという理由等々あって選べなかったところはある」

―(池田監督へ)初招集の林香奈絵、杉田亜未を招集した理由は。
池田「林は千葉でディフェンスラインをまとめ上げ守備の統率を取りながらビルドアップでも冷静に準備しながら落ち着いたプレーはシーズン通して目についた。そうした選手がなでしこのディフェンスラインに入った時にどういった効果が得られるのかグループとして見てみたいのがあった。怪我で出場できていない時もあったが、パフォーマンスを総合的に評価してディフェンスラインに厚みが出るのではないかと期待している。杉田選手もボールへの関わり、動きを止めず、関わり続けられる選手。切り替えの早いサッカーで彼女の良さが出るのではないかと期待して招集した」

―(池田監督へ)連覇がかかる大会となるが、今大会で出したい内容面の成果は。
池田「アジアカップで韓国とは予選で引き分けたし、中国戦はPKで敗れている。その悔しさは選手たちも味わっている。そこは今大会で表現してくれると思う。その中で戦い方、試合の中のゲームコントロール、プレスの強度を持ちながら、カウンターを仕掛けてくる相手にどう対応するかの対応力、相手の変化に対する対応力は韓国戦も中国戦も考えて準備したい」

―(森保監督へ)今大会のキャプテンは誰になるか。
「実際に選手の集まったところで発表したいと思うが、谷口(彰悟)選手を候補として考えている」

―(反町技術委員長へ)アジアカップの招致に立候補する予定は。
反町「明日、提出するかどうかだが、現在検討しているものの可能性としてはあまり高くないと理解してもらえればいい」

(取材・文 竹内達也)

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