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欧州視察中の森保監督が各選手の現状に言及「拓実が良い選手であることは間違いない」

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オンライン取材に応じた日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督が2日、報道陣のオンライン取材に応じ、8月下旬から行っているヨーロッパ視察の現況を説明した。

 8月24日朝に日本を出発した森保監督は、JFAオフィスのあるドイツ・デュッセルドルフを拠点に代表選手の視察を実施中。これまで26日のフライブルク対ボーフムでMF堂安律とFW浅野拓磨、27日のシャルケ対ウニオン・ベルリンでDF吉田麻也とMF原口元気、28日のケルン対シュツットガルトでMF遠藤航とDF伊藤洋輝、31日のアントワープ対ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズでMF三好康児の現状をチェックした。

 視察先では多くの選手が出場機会を掴んでいる中、ウニオン・ベルリンの原口は出場がなかった。それでも森保監督は「私が見て感じていることだが、シーズンが始まってからは試合に出ていた。選手の補強であったりというところで同じポジションの選手が来ていて、出場時間が減っているのかなというところ」とチームづくりの過程にあると分析し、「完全にポジションを失ったというのではなく、ELもあるのでローテーションで考えていっているのかなというところ」と冷静に受け止めていた。

 またフランスでは背番号10のMF南野拓実(モナコ)が定位置を獲得できず、苦しいシーズン序盤となっているが、指揮官は「新たなチームでプレーしていることで、自分の存在感を見せるということと、チームの中で他の選手と連係連動して戦うことをいまクオリティーを上げているところではないかと思う」と配慮。「拓実がいい選手であることは間違いないので見せ続けてほしい。心配していない」と信頼を強調した。

 加えて森保監督はMF久保建英(ソシエダ)、FW伊東純也(スタッド・ランス)が代表チームとは異なる2トップの一角でプレーしていることにも言及。「二人だけではないが、選手たちが所属チームの中でプレーしていることについては活かせるところは活かしていきたい」とした上で、「これまでの活動のベースと、さらにチームのコンセプトはベースとして持ちつつも、オプションとして考えられるところは考えていきたい」と所属先に合わせた起用を行う可能性も示唆した。

 さらに国内に目を向けると、エース候補のFW大迫勇也(神戸)が戦線を離れている現状もある。「詳しい状態は把握できていないところもある」と心配そうに語った指揮官は9月の招集について「現段階ではまだ分からない」とした一方、「できれば9月の代表活動に参加してもらって、そこから11月のW杯に向けてというところで進んでいければと思うが、9月の活動に参加しなくても可能性のある選手は見ていきたい」とW杯での“ぶっつけ選出”の可能性も残した。

 森保監督は今後、ドイツ・デュッセルドルフで行われるキリンチャレンジカップ2試合まで欧州で視察を続ける予定。今週末は2日のクラブ・ブルージュ対セルクル・ブルージュでFW上田綺世、3日のゲンク対シントトロイデンではGKシュミット・ダニエル、FW林大地、DF橋岡大樹、MF香川真司、FW岡崎慎司、4日はボルシアMG対マインツでDF板倉滉をチェックする。

 この日の視察を控える指揮官は東京五輪世代から期待をかけてきた上田について「初めての海外移籍でそう簡単にはいかない厳しい現状の中で戦っているのかなと思っている。直近の試合では得点を取ることができ、今日の試合でどう変わっていくかは楽しみ」とし、「彼もヨーロッパ、ベルギーに来て、そこでFWとして確固たるポジションを築きたいと思うが、トップ下をしたり、中盤に降りてプレーすることをチームに求められ、いろんな葛藤があると思う。日本人がヨーロッパで戦う中で、トップとして評価されづらいという難しいところはあるかもしれないが、得点感覚があって、FWとしてヨーロッパとしてできると思うので、チームの監督にFWとして評価してもらって結果を出してほしい」と期待を語った。

 ヨーロッパでは試合視察を中心に活動している森保監督。8月上旬の取材対応では「欧州視察で個人面談もできると思うので、現在の彼らの様子を聞きながら代表での考え方を選手の負担にならない程度に話していこうと思っている」と述べていたが、クラブ方針などにより試合後の選手と対面できないケースもあり、「時間的に深い話はたくさんできない」という。

 そのためコミュニケーション面はJFAオフィスと訪れた選手と入念に行いながら、遠方は斉藤俊秀コーチらがクラブを巡回中。「プライベートな時間で次に向けての戦術的なことを話したり、選手の現状を聞いたりし、手分けをしてヨーロッパを回って情報の共有をしている」といい、スタッフで分担しながらW杯に向けた視察・選考作業を進めているようだ。

 そうして挑む9月のキリンチャレンジカップ2試合へ。森保監督は「W杯でドイツ、コスタリカ、スペインと戦うという中で、これまでの対戦国の試合を見て、いろんなデータをもとにそこに向けていい準備はしていかないといけない」と本大会への取り組みに配慮しつつも、「先を見据えながらも一番大切な今を戦っていくことをやっていかないといけない。気持ちはW杯に向かっていくというのがあるが、先を見据えながら今をどう戦っていくかのバランスを見ながら、しっかり積み上げられるようにしたい。しっかりとしたマインドを持って今をしっかり戦っていかなければW杯にもつながっていかない。しっかりとバランスを持って戦っていこうと思う」と親善試合にフォーカスしていく姿勢を強調した。

(取材・文 竹内達也)★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
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