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日本は“ドイツが嫌がるサッカー”をする。現地記者が指摘「個々の力では上回る相手でも苦しめられるスタイル」

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日本代表の選手たち

 ドイツではカタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表はどう見られているのだろうか。同国『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)』の記者が、「ドイツがW杯で対戦する日本:完璧な競争相手」と題した記事で、日本代表を分析した。

 日本は23日に行われたキリンチャレンジカップ2022でアメリカと対戦し、鎌田大地と三笘薫のゴールにより2-0で勝利。27日に行われるエクアドル戦と同様、デュッセルドルフ開催のこの一戦だが、『FAZ』の記者はドイツサッカー連盟(DFB)のスカウトたちは「遠い大陸へ赴かずに済んだ」としつつ、「しかし、短い移動距離に比べて、これまで『サムライブルー』に関して得た情報は喜べるものではなかったのかもしれない。アジア人たちはピッチ上で、代表指揮官ハンジ・フリックやそのW杯プロジェクトにおける現在地に比べて、より先の位置まで進んでいるようだからだ」と指摘した。

 記者は森保一監督や主将・吉田麻也らの試合後コメントを紹介しながら、日本は「勝ち目がなかったアメリカ相手に印象的なパフォーマンス」を見せたと表現。同チームは「まさにドイツが嫌がるようなサッカーをプレーした。極めて規律正しく、素晴らしく組織され、勢いのあるエネルギーに溢れたものだった」と続けると、森保監督が語る“ボールを奪った瞬間からの縦への速い攻撃”はドイツやスペインなどポゼッションサッカーをするチーム相手の戦術として「最適かもしれない」とも記述。また、「少しばかりブンデスリーガ首位のウニオン・ベルリンを思い起こさせ、個々の力では上回る相手でも苦しめられるプレースタイル」との印象が強かったようだ。

 記者はさらに「W杯予選を難なく通過し、2022年に臨んだ8試合のうち5試合には勝っている」日本は「着実に調子を上げ、W杯プロジェクトに向けての正しいタイミングを掴んだようだ」と本番に向けて順調に仕上がってきていると見ている。「6月のブラジル戦こそネイマールによるPKで0-1の惜敗を喫したが、南米の巨人にオープンプレーからの得点を許さなかったことにより、それもポジティブな経験として残っているようだ」と伝えた。

 また、元日本代表の長谷部誠が3日間チームに“合流”したことにも触れられている記事では「進化は(代表戦の)結果に限らず、多くのメンバーたちが行き着いた高いレベルにも表れている」とそれぞれのキャリアにも言及。「センターバックの冨安健洋はアーセナルとともにプレミアリーグ首位に立ち、“日本のメッシ”こと久保建英はレアル・マドリーでは定位置を掴めなかったものの夏にはソシエダに移籍し、ラ・リーガを戦う主力組の1人となった。守田英正はスポルティングとともにチャンピオンズリーグを戦い、(アメリカ戦では)シュトゥットガルトの遠藤航と中盤で “砦”を築いている。森保監督はこの日、元リヴァプールで今はモナコでプレーする南野拓実を温存したため、2トップの左に置かれた鎌田大地がスターとなった」と述べている。

 なお「印象に残るほど(アメリカを)圧倒していたことを見れば3~4ゴール決めててもおかしくなかっただろう」とも考える記者は、試合後に手応えを示唆した森保監督の様子を受け、ドイツ代表に警鐘。「初戦でメキシコに0-1で敗れ、グループステージ敗退で終わった2018年と同じように苦しいスタートを迎えることになるかもしれない」との言葉で記事を締めくくっている。

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