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【StatsBomb×ゲキサカ】テクノロジーを使って調べてみた…日本代表選手に似ている欧州5大リーグの選手は?:鎌田大地編

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MF鎌田大地(フランクフルト)

 サッカー界では近年、テクノロジー活用が急速に進行しており、試合中にもさまざまなデータが集められている。走行距離、スプリント数といったJリーグでもおなじみの数値だけでなく、パス成功数、ドリブル成功数、インターセプト数、タックル数などプレー内容に関する数値もいまや当たり前。「ゴール期待値」など価値判断を含んだ指標も続々と編み出され、データをピッチ内のクオリティー向上に活かそうという取り組みがなされている。

 イギリスの『STATSBOMB』もそうしたサッカーに関するデータを扱う企業の一つだ。同社は前述のような基本的な数値に加え、相手へのプレッシャー、位置ごとのプレー成功率、シュートインパクト時のボールの高さなど、3000項目以上の細かいデータを集計。またボールポゼッション時のプレー価値を示す「OBV(On-Ball Value)」という指標を考案し、選手のキャラクターを詳細に数値化している。

 また同社のサービスでは「OBV」を組み込んだレーダーチャートを選手ごとに作成し、似たような特徴の選手を探すことができる「シミラー・プレイヤー(Similar Player)」という機能を搭載。もし、とあるクラブの選手が他クラブに移籍する可能性が出てきた場合、後継者候補を世界中から探し出せるようになっている。

 『ゲキサカ』では『STATSBOMB』社協力のもと、日本代表を支える若手選手たちの「Similar Player」を調査。シリーズ3人目は今季、初挑戦のUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)で存在感を放ち、先月の日本代表のドイツ遠征では4-2-3-1のトップ下で攻撃の中心に君臨していたMF鎌田大地(フランクフルト)だ。

 鎌田はブンデスリーガ加入から5年目の昨季、中盤の複数ポジションを担い、リーグ戦32試合に出場。リーグ戦こそ11位にとどまったものの、UEFAヨーロッパリーグ(EL)制覇に大きく貢献していた。

 以下の図は、鎌田のレーダーチャートをブンデスリーガの攻撃的ミッドフィールダー平均と比較したもの。先ほど紹介した「OBV」ではリーグ平均を下回っている一方、「パス成功率」「ボックス内でのクロス成功率」「シュートあたりのゴール期待値(=xG)」でリーグ平均を大幅に上回っていることがわかる。またターンオーバーの数値も高く、守備の貢献度も示された。


 こうした鎌田のレーダーチャートの形状から欧州5大リーグから「Similar Player」を探すと、ワトフォード(現フェネルバフチェ)のMFジョシュア・キング、サッスオーロのMFグレゴワール・デフレル、ミランのMFブラヒム・ディアス、チェルシーのFWクリスティアン・プリシッチの名前が出てきた。彼らが鎌田と似たキャラクターを持つ選手だと言えそうだ。

 さらにこの機能を使うと、J1・J2でプレーする選手と比較することもできる。プレーレベルが異なることは留意しなければならないが、FW渡邊凌磨(FC東京)、MF曽根田穣(京都→水戸)、FWアレックス・シャルク(浦和)、FW中野誠也(大宮)の名前が上がっている。


 次回はDF伊藤洋輝(シュツットガルト)の「Similar Player」を紹介する。

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