beacon

“バットマン”谷口彰悟「鼻がもう一回折れようがどうってことない」W杯はフェースガード外して出場へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表DF谷口彰悟(川崎F)

 カタールW杯のメンバー入りを果たした日本代表DF谷口彰悟(川崎F)が11日、ドーハ入り後初めてのトレーニングに“バットマン”姿で登場した。5日のJ1最終節で鼻骨を骨折し、整復手術を受けたばかり。それでも目の前にW杯初出場を控えた31歳は「鼻がどうなろうと、チャンスがあれば自分がスッキリする形でやりたい」と再発覚悟の決意を示した。

 日本代表は11日、Jリーグのシーズンを戦い終えた国内組7選手が集合し、ドーハで初のトレーニングを実施。谷口は真っ黒のフェースガードを着けて姿を表した。9日夜の成田空港出発時、10日朝のドーハ到着時はいずれも銀色のギプスを装着していたが、よりサッカーに適した補強法に移った格好だ。

 W杯での黒いフェースガードといえば、2002年の宮本恒靖氏(現日本サッカー協会理事)が思い出される。谷口も「2002年は小学5年生で見ていたし、バットマンということで話題になったのも覚えている」という。一方、いまや“バットマン”の当事者。プレーには少なからず影響もあるようで、「シンプルにあれをつけてやっていたのはすごい」と苦笑いを浮かべた。

 もっとも、今回のフェースガードには最大限プレーに影響がないよう、谷口のこだわりが詰まっているという。「鼻を動かすので視野が狭くなったり、ほお骨で支えるので真下が見えなかったりするけど、極限まで薄くしたり、位置を下げることで少しでも足元が見えやすいようにやっていただいた。すごくギリギリまで、極限まで要求に応えていただいた」。持ち味でもあるボールタッチを活かすべく、足元の視野をしっかりと確保したようだ。

 その結果、フェースガードの課題である視野確保については「そこまで見づらいということはない」と谷口。だが、この日のトレーニング途中からはフェースガードを外してプレーしていた。「つけるストレスとか、装着時の違和感、鬱陶しさはもちろんある。汗も出るので滑ってきて落ちてきたり、滑らないようにぎゅっと締めると頭に血が通わない感じがあったりして難しい」。さまざまな葛藤もあるという。

 そのため谷口は、W杯の試合に出場する場合、フェースガードを外してプレーしようと考えているようだ。

「僕のいまの気持ちとしては取りたい。できるだけ外していくということでやりたい」。そう明かした谷口は「腕とか相手の頭が入ってくると一番痛いかなと思うけど、試合になれば普通にする。それでもう一回折れようが、何しようが、自分がスッキリしてやりたい気持ちが強い」と述べつつ、「W杯なので。もう一回折れることだってあるし、それくらい別にどうってことない。折れたらまたやればいいという感じで試合に入りたい」と決意を語った。

 まずは負傷への恐怖心よりも、W杯での出番獲得に向けて全力を尽くしていく構えだ。

「自分にできるのは常に目の前の1回1回の練習、目の前の試合に向けて、とにかく最善を尽くしていく、やるべきことをやっていくことだけ。いつチャンスが回ってきてもいいようにその準備をし続ける。それがいざ回ってきた時にパフォーマンスにつながると思うし、いざチャンスが回ってきた時にどうしようってドタバタするようじゃただの準備不足。いつ回ってきてもいいようにとにかくできること、やるべきことをやっていくというのはこれまでもそうだし、この大会でやっていきたい」

 そう力強く語った谷口は「もちろん最初から出られるようなポジション争いもそうだし、アピールもしていきたい。最後の最後まで競争していって、その競争がチームを強くしていくと思うので、みんなでそうやってやっていければいいなと思う」と断言。17日のW杯前最終戦のカナダ戦、そして23日のグループリーグ初戦ドイツ戦に向け、谷口はこれまでどおりの姿勢で準備を進めていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP