beacon

日本サッカーの未来を占う戦いが始まる…U-20日本代表がきょうアジア杯初陣、スペイン人指揮官率いるU-20中国戦のポイントは

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-20日本代表がきょう初戦・U-20中国代表戦へ

 1日に開幕した20歳以下のアジア王者を決定するAFC U20アジアカップ(ウズベキスタン)。D組のU-20日本代表は現地時間3日15時(日本時間19時)にU-20中国代表との初戦を迎える。2日午後には、その中国戦に向けた最後のトレーニングを実施した。

「コンディショニングに関してここまで凄く良い準備ができている」

 冨樫剛一監督がそう話したように、ここまでの調整は総じて順調。現地で練習試合もこなしたが、負傷者などは出ず、また体調不良の選手もなし。前日時点で23人全員がトレーニングに参加できている。

 昨年、ラオスで行われた1次予選では体調を崩す選手が続出。コロナ禍が続く中で海外遠征の経験が乏しい選手たちばかりだったこともあり、「非常に苦労することになってしまった」(冨樫監督)。その反省も踏まえ、今大会ではカタールW杯にも帯同した西芳照シェフがチームに同行。通常のホテル飯に加えて、「本当においしい。ありがたいです」とDF田中隼人(柏レイソル)もニッコリと語る日本人向けの食事を追加で提供している。

「ラオスでは自分もお腹を壊してしまいましたし、他にも体調を崩す選手が多かった。でも、今回はそういうことはないです。自分もすごく良い状態」(田中)

 チームスタッフによれば、今回は体重を落としてしまうような選手も出ず、フィジカル面での準備は順調とのこと。「食事が美味しいので、スタッフの体重は逆に増えていっている可能性が高い」(某スタッフ)という懸念はあるものの、選手の状態が安定しているのはポジティブな材料だ。

 練習場の芝生の状態は悪く、「選手は特にワンタッチ目のコントロールに苦労している」(冨樫監督)と、スムーズなトレーニングができなかったようだが、「これも想定内」(冨樫監督)。芝生の状態が悪いなら悪いなりのサッカーをするのも実力の内ということで、状況に応じてトーナメントを勝ち抜くためのサッカーに徹することも視野に入れている。

 初戦の中国はスペイン人のアルベルト・プチェ・ビセンテ監督を迎えて強化しているチーム。試合前日の公式会見ではレアル・ソシエダでの指導経験があり、ブロークンなスペイン語を使いこなす冨樫監督と談笑する一幕も観られた。ただ、サッカーがスペイン式に特化されているというわけではなく、「元々の中国の特長を活かしている」(冨樫監督)スタイルだ。

 つまり、高さや速さなどの身体的な特長に優れた選手が多く、スピーディーな攻撃が持ち味となる。「カウンターが強い」と指揮官が警戒したように、日本から観ての攻撃から守備への切り替えは大きなポイントになりそうだ。

 選手たちもこの点は重々承知。「映像を観てもシンプルにDFの背後へ入れてくることが多い。ラフなボールが入ってくるので、特に一発で裏を取られることがないように気を付けたい」と田中も警戒する。

 また球際での荒っぽさに映像を観て驚いたと言うFW北野颯太は「やられてもカッとならないように、冷静に対応しないといけない」と気を引き締める。初戦の緊張への対応も含め、精神的な部分も当然ながらポイントの一つとなりそうだ。

「最強のメンバーが揃っている」(北野)若き日本代表が、アジアを制して世界に出て行くための第一歩。遠くウズベキスタンの地で、日本サッカーの未来を占う戦いが始まる。

(取材・文 川端暁彦)
●AFC U20アジアカップウズベキスタン2023特集

TOP