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ボールを持てば空気が変わる…6万人沸かせたMF三笘薫「結果を出さないといけない立場」

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MF三笘薫(ブライトン)

[3.24 キリンチャレンジ杯 日本 1-1 ウルグアイ 国立]

 ボールを持つ度に6万人超のスタンドが沸いた。声援を浴びながらドリブルで何度も持ち運び、敵陣を切り裂いて行った。カタールW杯のヒーローの活躍を“生”で見たいという期待を受けたMF三笘薫(ブライトン)は持ち味の単独突破を何度も見せた。しかし、周囲との連係があまり生まれず、得点には至らなかった。

「前半は難しいところがあった。周りに人がいないときもあったし、そこで1タッチ、2タッチでできればよかったけど、ピッチも難しく、課題が出た」

 そう振り返った通り、試合開始早々には自陣から50mほど持ち上がり、シュートを試みようとしたがDFに阻まれた。前半19分には相手CKのカウンターからドリブルで持ち運んだが、敵陣で守備陣に囲まれてボールを失った。いずれもサポートが遅れていたためにロストとなった格好だ。

 三笘自身、「色々試しながらやってましたけど、一番いい形はどうなるか分からないまま終わったところもありました。前半は(相手に)リズムを作られて、押し込む形はなくてカウンターだけになってしまった。チームとしてもう少し押し込む形を増やしていければと思うし、後半もセカンドボールを拾えなかったので、チームとしてのコンパクトさが必要かなと思う」と課題を挙げた。

 ただ、その口調は決してネガティブではない。「次の試合も色々試しながらやれればどんどんチームとして積み上げるようになると思う」と手応えを感じているからだ。

 カタールW杯の時にチグハグになってしまった左サイドバックのDF伊藤洋輝との連携についても「2人の関係性は良くなっている。ミスになったところもあったけど、ビッグチャンスにつながるところもあるので悲観していません」と冷静に振り返る。

 カタールW杯ではベンチスタートで切り札としての使われ方だったが、新生森保ジャパンの初陣では先発で起用された。「少しは信頼感が上がっているからこそスタメンだと思う。難しさはどちらもありますけど、先発の方がもちろんやりやすい。チームの流れを見ながら相手を見ながらプレーできるので、そこは常にスタメンでいることが大事かなと思う」。

 結果は1-1の引き分けで悔しさが大きいが、スタンドからの声援は大きな励みになった。「あれだけ期待してくれて大きな声援をくれるのはなかなかなく、すごく光栄ですが、特に代表は結果を求められて結果を出せる選手にならないといけないところだと思う。ブライトンでやっていることを出せないと代表ではできないと言われるので、言われないようにしないといけない」と謙虚に自戒も込めながら言葉を選びつつ、「僕自身、役割も変わり、より注目されるようになって結果を出さないといけない立場だと認識している」と自覚をにじませた。

(取材・文 矢内由美子)

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