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堂安律が南米2連戦で感じた課題「Jリーグを批判するわけではないけど、Jリーグのサッカーっぽいサッカーをしている」

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日本代表MF堂安律

[3.28 キリンチャレンジ杯 日本 1-2 コロンビア ヨドコウ]

 あえて誤解を恐れず、強い口調で言った。日本代表MF堂安律(フライブルク)は1-1の後半9分からMF三笘薫に代わって途中出場。24日のウルグアイ戦(△1-1)に続く2連戦を1分1敗で終え、「明らかにこの2試合、シュートが少ない」と攻撃面の課題に言及した。

 堂安が指摘するとおり、ウルグアイ戦のシュート数は4本対8本、コロンビア戦も5本対11本。チームとして2試合で9本に終わり、堂安自身は1本もシュートを打つことができなかった。

 チームは今合宿を通して名波浩コーチのもと、サイドバックのポジショニングを含め、ボールをしっかり保持しながら相手を崩すビルドアップの形にトライしたが、なかなか機能しなかった。

「前半見ていて、(伊東)純也くんと(三笘)薫くんの個の能力はなかなか生かし切れてなかった。やろうとしていることを意識しすぎて、前に行けず、シュートを打てないというのは、点を取るスポーツなのでダメだなと思う」

 ボールを大事にするあまり、センターバックやボランチでボールを回すことが多く、なかなか効果的な縦パスが入らなかった。「遅攻を強化しようとしているけど、選択肢、プライオリティーを間違えたらいけない」。ポゼッションはあくまで選択肢であり、目的ではない。コロンビアに対し、チームの生命線であるデュエルでも劣勢を強いられ、セカンドボールを拾えなかった。

 後半開始からFW上田綺世が投入され、後半33分からはFW浅野拓磨もピッチに入り、中盤をダイヤモンド型にした4-4-2にシステムも変えた。前線に厚みを加え、多少強引にでもゴール前に放り込むことで相手を押し込み、チャンスをつくることができた。

「(上田)綺世が入ったら縦にロングボール1本でもいいと思うし、ラスト5分ぐらいは(久保)建英が前に行って、少しずつセカンドボールを攻撃的に拾えていた」。終盤の展開に手応えがあったからこそ、それまでの戦い方がもどかしかった。

「もっと縦パスを入れるべきだと思う。リスクはあるけど、そういうシーンがないと前に進まない。セーフティー、セーフティーでは前に行けない」。日本代表の新たなリーダーとしての自覚と責任があるからこそ、厳しい言葉を投げかけた。

「Jリーグを批判するわけではないけど、Jリーグのサッカーっぽいサッカーをしている感覚がある。ヨーロッパはもっと縦に速くゴールに向かっていくサッカーで、常に歓声が響いて、常に攻守が入れ替わる。やりたいことはやるけど、その中で選択肢、プライオリティを忘れちゃいけないのかなと思う」。普段ブンデスリーガでプレーするからこそ感じた違いだろう。チームを良くしていくために嫌われ役も買って出る覚悟の言葉が重く響いた。

(取材・文 西山紘平)

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