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「タイミングや運もあって…」追加招集のMF伊藤敦樹が練習なしで異例の“ぶっつけデビュー”

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追加招集でA代表デビューを果たしたMF伊藤敦樹

[6.15 キリンチャレンジ杯 日本6-0エルサルバドル 豊田ス]

 前代未聞の“ぶっつけデビュー”だった。追加招集で日本代表に初招集されたMF伊藤敦樹(浦和)が後半31分から途中出場。アンカーの位置に入り、A代表初出場を果たした。

 チーム練習に一度も合流しないままのデビューだった。試合前日の14日にMF川村拓夢が体調不良で途中離脱となり、代わって伊藤敦を追加招集。所属クラブの浦和で午前練習をこなし、自宅に戻ったタイミングでクラブ関係者からの電話で追加招集を知らされた。

「準備してクラブハウスに戻って、みんなに挨拶してから大宮に行って(新幹線で豊田に向かった)。ホテルに着いたときがちょうど選手が練習から帰ってくるタイミングと一緒で、夕食会場で挨拶した」

 伊藤敦が豊田に到着したときにはすでに全体練習も終わっており、ピッチで合流することはできず。初めて会う選手も多い中、一度も一緒に練習できないまま、試合のピッチに立つことになった。

「こういうのは初めてだったけど、周りの選手が声をかけてくれてうまく試合に入ることができた」。MF守田英正に代わってアンカーの位置に入り、「少し難しさもあったけど、デビューできて良かった。『前に出ていいよ』と言われていたけど、なかなか行けなかった」と、約15分間のデビュー戦はあっという間に終わった。

「タイミングや運もあってこうやって呼ばれて、展開もあって試合に出場できた。日の丸を背負ってピッチに立てたのは大きな一歩を踏み出せたと思う」。追加招集翌日のデビューが異例なら、開始3分で相手に退場者が出て大量リードするという展開も伊藤敦にとっては幸運だった。

 チームメイトとコミュニケーションを取っていくのも、練習で自分の持ち味をアピールしていくのもこれからだ。「明日の練習からアピールして、ペルー戦でチャンスをもらえれば思い切りやりたいし、継続して呼ばれるようになりたい」。まずは20日のペルー戦(パナスタ)での連続出場が次の目標になる。

(取材・文 西山紘平)

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