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森保Jでの起用法の変化に久保建英「そのレベルの選手になったんだなという実感がある」

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日本代表MF久保建英(ソシエダ)

 日本代表MF久保建英(ソシエダ)は15日のキリンチャレンジカップ・エルサルバドル戦で、1年3か月ぶりとなる右ウイングでの先発出場となった。カタールW杯では攻守の強度を買われて左サイドでの出場が続いていたこともあり、本職でのプレーには「自分の本来のポジションの一つでプレーさせてもらえたので、そういったところは個人の成長というか、そのレベルの選手になったんだなという実感がある」と充実感を感じていたようだ。

 前回右サイドで出場したのは昨年3月のW杯最終予選ベトナム戦(△1-1)。システムは同じ4-3-3(4-1-4-1)となっているが、久保の立場はあれから大きく変わってきた。当時はマジョルカで守備に追われることも多かったのに対し、今季はソシエダで守備強度も保ちながら多くの得点に関与。所属クラブでのパフォーマンスがそのまま代表での起用につながった形だ。

 これまでは4-2-3-1のトップ下に持ち場を見せてきた久保だったが、エルサルバドル戦では4-3-3で1ゴール2アシスト。「4-3-3はトップ下がないので必然的にインサイドハーフか右をやるかしかないけど、その中でソシエダのサッカーだと僕は右のほうが合っていると思う。中に入れることのほうが多くなるので。代表で右かと言われたらわからないけど、(エルサルバドル戦では)右でいいプレーができたので、4-3-3だったら代表でも右のほうが合っているのかなと思う」と新たなシステムにも順応できる手応えを口にした。

 またそうした所属クラブでの自信は、単に自らの役割を広げるというだけでなく、周囲との連係も見据えたプレー選択にも表れているようだ。

「余裕が出てきたというか、焦ってないですね。結果が出るか出ないか関係なく、客観的に自分の実力を見られるタイプなので、もし次の試合で結果が出ようが出まいが焦ることはないのかなと。それくらいの余裕があります」

 現在の代表チームでの心持ちをそう明かした久保はエルサルバドル戦でMF堂安律(フライブルク)、DF菅原由勢(AZ)との好連携を見せていたことについて「余裕があるのは事実。菅原選手、堂安選手、そして途中から出てきた相馬(勇紀)選手の意見も聞きながら、その人たちに合わせやすいようなプレーをしようとしていた。代表は個人のアピールの場でもあって、彼らの特徴を出すことが自分のアピールにもつながる。彼らの意見を聞いて、彼らの要求に応えるようにできるだけしていた」と振り返った。

 肩の力が抜けるようになった心境の変化の陰にはやはり、ソシエダでのプレーがあった様子。久保は「客観的に落ち着いてフィールドを見られるようになったし、ソシエダでいい選手に恵まれて活かしてもらっている。僕も周りを活かしていないわけではないけど、お互いに活かし合ってソシエダというチームがあるので、そういったところを代表でやったらいいかなと思う。代表でやっているほとんどの選手の特徴は掴んでいるつもりなので、僕が余裕がある時だけど、その人たちの特徴を出せるようにというのは考えながらプレーできるくらいの自信はついていると思う」と充実感たっぷりに話した。

(取材・文 竹内達也)

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