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親善試合では初の連続スタメン…31歳DF谷口彰悟が新たな一歩「驚かせるくらいの存在感を示したい」

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日本代表DF谷口彰悟(アルラーヤン)

[6.20 キリンチャレンジ杯 日本 4-1 ペルー パナスタ]

 2試合続けて攻守に存在感を見せたものの、向き合ったのはたった一つの失点だった。日本代表DF谷口彰悟(アルラーヤン)は試合後、後半38分の失点シーンを振り返りつつ、「僕のミスだったと思う」と悔しさをあらわにした。

 4-0で迎えた後半38分、日本は空中戦で攻め込まれると、谷口のヘディングクリアがペナルティエリア内にこぼれ、MFクリストフェル・ゴンサレスにボレーシュートを叩き込まれた。直前にボランチのMF遠藤航に代わってDF瀬古歩夢が投入された影響もあり、セカンドボールに誰も反応できていなかったことが直接的な要因と思われたが、谷口は自身に責任を向けていた。

「ヘディングをいいところに落とせなかった。まずはどんなにぶつかられようが外に弾くことをやっていかないといけないし、僕のミスだったと思う」

 DF板倉滉とのチャレンジアンドカバーは「悪くはなかったと思う。どっちかが前にアタックして、どっちかがカバーするというのは徹底してやるというコミュニケーション取っていたし、僕が前にアタックして、後ろは(板倉)滉がカバーする形だった」と問題なし。クリア後の対応にも「あとはチームとしてもセカンドボールの対応をみんなで声をかけてアラートにしておかないといけなかった」と反省点を口にはしていたが、自身に高い要求を突きつける谷口らしい向き合い方だった。

 それでも試合全体を見れば、最後尾からのビルドアップでペルーの激しいプレッシングを無力化させつつ、局面の守備対応でも出足の良さと粘り強さを発揮。15日のエルサルバドル戦(○6-0)に続いて上々のパフォーマンスだったといえる。

「動かし方は悪くなかったし、4枚で回すのか、3枚で回すのか、いろいろ工夫しながらやれていたし、右サイドはシンプルに縦、縦で突破してクロスまでいけていたし、それはそれで相手が嫌がっていたと思うし、それで効果的だった。スムーズにビルドアップはできていたし、縦パスも狙えていた。悪くなかったと思う」

 ビルドアップへの手応えをそう語った谷口は、今回自身が初めて合流した第2次森保ジャパンの現状についても「うまく個々の特徴を活かしながらやれていると感じるし、みんなも一緒にやる時間が長くなっている分、お互いの特徴を理解しているし、ボールを持つところと縦に速く行くところの使い分けもW杯までのチームより良くなってきていると感じている」と前向きに語った。

 もっとも、カタールW杯ではピッチ上で悔しさも味わった谷口。3年後の北中米W杯ではさらに高みを目指すべく、「まだ戦い方の幅はもっともっと広がりそうだなと感じている。もっともっと追求して、高いレベルを求めて、僕らが目指しているのはW杯優勝というところなので、その基準をしっかり持ちながら頑張っていきたい」と気を引き締めていた。

 今回の6月シリーズでは2試合連続の先発出場。まずはアジアカップを当面の目標とするチームにおいて、中心的な役割を託されることを予感させた。

 実は谷口にとって、チームづくりが進む親善試合の同一シリーズで連続先発するのはこれが初めて。昨年のW杯最終予選・中国戦とサウジアラビア戦、カタールW杯のスペイン戦とクロアチア戦での見事な活躍が印象的ではあるものの、A代表のレギュラーという観点では再出発とも言えるシリーズとなった。

「自分自身2試合連続で出たのはあまり経験がなかったので、そのぶん責任感や、しっかりやらないとなという気持ちが強かった。起用してくれた監督・スタッフの期待に応えたいし、いい意味で裏切るような驚かせるくらいのプレー、存在感を示したいと思っていた。自分の特徴、自分にしかできないと言ったら大袈裟だけどそういうプレーを出していこうと思っていた中で、今日も何度か自分らしい縦パスといったプレーも出せていたので、これからも存在感を出しながらやっていけたらと思います」。海外移籍を経てなおも高みを見据える31歳、谷口彰悟がA代表でまた新たな一歩を踏み出した。

(取材・文 竹内達也)

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