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痛感した「初めての日の丸」の重さ。帝京DF梅木怜が緊張の中で掴んだモノ

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U-18日本代表初先発の右SB梅木怜(帝京高)が攻め上がる

[8.18 SBS杯第2節 静岡ユース 0-2 U-18日本代表 愛鷹]

 恒例のSBSカップ国際ユース大会で船越優蔵監督を迎えてチーム立ち上げとなったU-18日本代表。就任したばかりの指揮官は、これまで各年代で代表チームに名を連ねてきたような選手たちに加え、ニューカマーたちもチームに招いた。今治内定の帝京高DF梅木怜は、その一人だ。

「日本代表のユニフォームをもらったときに凄く重みを感じましたし、実際に着たときにはいつも感じたことのない緊張感がありました」

 初めて日の丸を付ける形になった梅木は、18日に行われた静岡ユースとのSBSカップ第2戦で初先発。右SBの位置に入った。「初めての代表だったので、最初は本当に体が硬かった」と言うように、序盤は緊張が悪い方向に働いた印象も否めなかった。

 ただ、「仲間が声をかけてくれて、少しずつ自分のリズムを取り戻せた」と語るように、体を張った守備などで持ち味を発揮。元々CBとして昨年のインターハイ準優勝も経験しているだけに、サイドからゴール前に絞ってのディフェンスでも高レベルの対応を披露。持ち味のスピードも活かしながら、無失点での勝利に貢献した。

 初代表の選手にとって大きなハードルとなることの多い見知らぬチームメイトとの関係作りについては「余り得意なタイプではない」と苦笑いを浮かべる一方で、「少しずつコミュニケーションも取れるようになってきた」と手応えもあったようだ。

 元々はFWだっただけに、「自分の武器はスピードなのに今回あまり攻撃参加できなかったので、もっと攻撃参加していきたい」と、本来持っているパフォーマンスを出し切れなかったという感覚もあるだけに、最終戦となるU-20関東大学選抜戦へ向けてまた気持ちを高めたい。

 内定先の今治への練習参加、そしてU-18日本代表のトレーニングと試合を経て、自身の課題も明確になってきたと言う。

「1対1の強さ、あと体力面も足りないですし、素早く良いポジションを取ることをもっとやれるようにならないとダメだなと感じています。

 一方、手応えもある。

「今治では『守備の予測が良い』と言ってもらえましたし、一瞬のスピードのところも『どんどん出していけ』と言ってもらえていて、そこは自信になっていますし、磨いていきたいです」

 初めて日の丸を付け、初めて試合に臨み、あらためて課題を感じつつも、確かな手応えも掴み取った。名門のDFは、残り1試合、さらなる成長を目指す。

(取材・文 川端暁彦)
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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