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[SBSカップ]U-18日本代表GK小林将天(FC東京U-18)が好守で無失点勝利。今夏続けてきたピッチ内外で「チームが勝つための全力を出すこと」

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U-18日本代表GK小林将天(FC東京U-18)は好守で無失点勝利に貢献

[8.18 SBS杯第2節 静岡ユース 0-2 U-18日本代表 愛鷹]

 悔しさを表に出さず、所属チームでも年代別日本代表でもチームをサポート。そのGK小林将天(FC東京U-18)が、好守でU-18日本代表に無失点勝利をもたらした。
  
 SBSカップ初先発の小林は前半7分、PAへ抜け出してきた静岡ユース10番MF花城琳斗(JFAアカデミー福島U-18)との1対1をストップ。距離を詰めながら冷静にコースを消し、左足シュートを身体に当てた。

 U-19日本代表にも選出されている小林のシュートセーブ能力は世代屈指。立ち上がりの好セーブでチームを落ち着かせた守護神は、その後も枠へ飛んでくるシュートを確実に処理していく。

 ミスがゼロではなかったものの、189cmの高さを活かしてハイボール対応。後半にサイドを崩されたシーンではラストパスに身体を伸ばしてわずかにボールへ触れる。味方のサポートもあってピンチを切り抜けた。

 チームはU-18韓国代表との初戦を0-1で終えたが、第2戦を2-0で勝利。優勝の可能性を残した。「勝たないともう後がないという試合だったので、勝点3が欲しくて、その中で自分の武器を表現できたのは良かったと思います。僕らは年代別代表であって、相手が誰であれ、昨日の韓国戦でも絶対に勝たなければいけなかったし、相手がどこであれ勝たなければいけなかったので、今日勝てたことは良かった」。代表選手としての責任。それを果たす白星を守護神は評価していた。

 小林はU-15から年代別代表の中心選手の一人。今季はFC東京U-18の主将を務めている。プレミアリーグEASTでは、前半戦の全試合で先発フル出場。前回王者・川崎F U-18とのライバル対決(7月)ではPKセーブを含めて圧巻の守備力を発揮していた。

 だが、その試合を終了間際のオウンゴールで落とすなど、5月の横浜FMユース戦以降の6試合は失点が続き、未勝利。小林は自身の良いプレー、悪いプレーを見つめ直してトレーニングを続けてきたが、日本クラブユース選手権(U-18)大会(7、8月)では、U17アジアカップでも活躍した後輩GK後藤亘に先発を譲ることになった。

 後藤の活躍もあってFC東京U-18は決勝進出し、準優勝。小林の同大会出場はグループステージ最終節の1試合に留まった。「僕自身、GK論として試合は無失点で終えたいという気持ちが強くて、その中で前期は自分の武器であるシュートストップは出せたんですけれども、その一方で失点も多くなっている試合が多かった」。小林、後藤の年代別代表守護神2人をはじめ、FC東京U-18のGK争いのレベルはどこよりも高い。小林はサブの立場を理解し、躍進するチームの中でできることを続け、仲間たちを支えた。

 年代別日本代表でも初戦で先発を務めることが多かったが、今回のU-18日本代表は2戦目での先発。ただし、初戦はピッチ外から一際声を発して、チームをサポートしていた。

「試合に出れていないから不貞腐れるのではなくて、ベンチである立場を受け入れて自分ができる、チームが勝つための全力を出すことが声出すことや(GKの役割である)交代選手のセットプレーの管理だったりクラブユースで学んだことをこちらでも出せたと思います」。そして出番を得た試合で実力を発揮し、完封勝利。「夏休み少ないけれど、自チームでも、ここでも、(培ってきたことを)表現していきたい」と力を込めた。

 U-18日本代表は、今回の活動から25年U-20ワールドカップへ向けて本格始動。2年後、U-20日本代表の守護神としてその舞台に立つ。「自分自身、そこへの思いは強いですし、そのためにも試合を重ねないと自分のウィークは埋めれないと思っているので、そこへ向けてチームのレベルアップも必要ですけれども、自分のレベルアップも必要だと思う」。継続してできることに全力。目標へ向け、代表、所属チームで1試合でも多くの出場機会を勝ち取り、成長を続ける。
 
(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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