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各国で無双する“ライバル”の存在も刺激に…新10番で臨むドイツとの再戦に堂安律「もう1回叩きのめしてやろうと」

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MF堂安律(フライブルク)

 カタールW杯で世界的強豪からゴールを奪ったMF堂安律(フライブルク)が、日本代表の新10番となってドイツとの再戦に挑む。「背番号はあまり変わらないけども、もう1回叩きのめしてやろうと思っているんで。でかい態度でやれるよう頑張ります」。新シーズンのインパクトではライバルたちに後れを取るが、この大一番に向けて静かに爪を研いでいる。

 昨年末のカタールW杯でドイツ、スペインを相手に同点ゴールを決め、“死の組”首位通過の立役者となった堂安。第2次森保ジャパンでは6月シリーズから背番号10を任されるなど、さらに大きな存在となって3年後の北中米W杯を目指そうとしている。

 もっともこの欧州遠征を間近に控えた新シーズン、堂安は親知らずの痛みの影響により、ブンデスリーガではわずか3試合で計約120分間の出場。日本代表の右ウイング争いのライバルでもあるMF久保建英(ソシエダ)、MF伊東純也(スタッド・ランス)が各国リーグで無双状態にある中、陰に隠れる状況となっている。

 しかし、そういう時こそ輝くのがこの男だ。6日の練習後、報道陣からポジション争いについて問われた堂安は「毎回その質問はされるけど、非常に楽しみ。毎回こうやって会って、彼らと同じピッチで、同じ練習をして切磋琢磨するというのは意識しているので、毎回焦らされながら良い意味で自分にプレッシャーかけてくれる良いライバルかなと思う」と冷静に言い切った。

 自身もドイツ・ブンデスリーガでのプレーは3年目になり、日常での経験からも再びドイツを倒すイメージはできている。

「立ち上がり相手がどう入ってくるか。相手が前に来るのであればかなり後ろが空いてくると思うし、ブンデスの傾向も同じで、ラスト20分、30分はかなりオープン展開になる試合が多い。W杯の時もドイツはそうだったし、自分が出た時間帯はかなり空いていたので、W杯もそうだったけどそこまでに0-0、もしくは悪くても0-1というのは必要になってくると思う」と展望を語った。

 カタールW杯を経て第2次体制に移った森保ジャパンは、W杯の課題を踏まえ、ボール保持のクオリティー向上にトライ中。3月シリーズではなかなか前に迫力を出せずに苦戦し、堂安自身も「もっと縦パスを入れるべきだと思う。リスクはあるけど、そういうシーンがないと前に進まない。セーフティー、セーフティーでは前に行けない」と警鐘を鳴らしていたが、6月シリーズでは良いバランスが取れて2連勝を果たした。

 堂安はこれまでの戦いぶりに「3月での反省を6月に活かし、かなりいいものになったと思う」と手応えを述べつつ、「僕は毎回言っているけど、ボールをキーパーから回して得点を取るなんてマンチェスター・シティでも現代サッカーではあるかないか。もちろんそれも踏まえたうえで練習するのは大事だけど、W杯で自分たちが何が通用したかっていうのは忘れちゃいけないと思う」と指摘。「もちろんポゼッション率を少しずつ、5%、6%上げていくのは必要だけど、一番点を取りやすいシンプルなやり方というのは忘れちゃいけない」。日本の新10番は結果にこだわり、リターンマッチに臨んでいく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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