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フェイエ初ゴール経て森保J合流のFW上田綺世、W杯以来のドイツ戦へ「当時とは違った心境でプレーできる」

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日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)

 トレーニングでのシュート練習からも状態の良さは明らかだ。日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)は国際Aマッチウィーク直前のリーグ戦でオランダ移籍後初ゴールを決めての代表合流。7日には報道陣の取材に応じ、「少しずつ慣れてきて、試合の中でも練習の中でも少しずつ自分のプレーができてきている」と新天地での好感触を語った。

 上田は今月3日に行われたエールディビジ第4節のユトレヒト戦に後半10分から途中出場すると、同26分に味方のスルーパスに反応。うまく体勢を整えて左足を力強く振り抜き、GKの頭上を撃ち抜く強烈なシュートを決めた。

 上田にとってこれがフェイエノールト加入後初ゴール。「チームのレベルも高くなったので、もっとチャンスは作れると思うし、現にもっとチャンスはあったので、まだまだやれると思う」と現状のパフォーマンスに満足はしていないようだが、オランダの人々に存在感を印象付ける大きな一発となった。

 ここまではプレータイムが限られていることもあり、周囲とのコンビネーションは発展途上だが、自身がやるべきことははっきりしているという。

「仮に僕の武器がポジショニングとか動き出しだったとしても、それを伝えるというよりはプレーヤーとして出したい動きをすれば出てくると思う。僕がどういうプレーヤーかを伝えれば伝わるとかではなく、試合の中で、その場面で常に良いポジショニングを取り続けられたら良いのかなと思っています」。ストライカーとしての役割に向き合い続けることで、自然と連係面も仕上がってくると捉えているようだ。

 欧州の舞台に活躍の場を移し、そうした取り組みを続けながら掴んできた自信は、日本代表でも支えになるはずだ。

 9日に控える国際親善試合ドイツ戦はカタールW杯の再戦。上田自身はドイツ戦で出場機会がなく、唯一ピッチに立ったコスタリカ戦でも納得のいくパフォーマンスは発揮できなかったが、昨季セルクル・ブルージュでのシーズン後半戦だけで15ゴールを量産するなど、あれから10か月間で成長を遂げてきた自信はある。

「W杯から半年以上が経ってクラブは変わりましたけど、積み重ねてきたところや、いろいろ自分の中でも成長した部分は多くあると思う。点を取る感覚もそうだし、チームが変わって強度やプレースタイルでいろんな成長ができていると思うので、当時とは違う感覚でプレーできると思う。それがハッキリ出るわけでもないし、そんなに簡単じゃないけど、違った心境でプレーはできるのかなと思う」(上田)

「強度は高いゲームになると思いますし、相手もいろんな意気込みや思いも込めて戦ってくると思うので、相当難しいゲームになる。それこそW杯と同じような展開になれば、日本にとってすごく苦しいゲームになる。その中で自分が何を出せるかと言うところが全て。相当難しいところではあると思うけど、チームに求められていることと、自分が出したい部分と、自分が求められている武器と、それをうまく自分の出場時間の中で表現できたら」

 未経験の強敵相手にもプレービジョンは着実に仕上がりつつあるようだ。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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