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”強み”がハマる相手? ドイツとの初対戦にDF谷口彰悟「だいぶイメージはできている」

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日本代表DF谷口彰悟(アルラーヤン)

 ドイツ代表とのリターンマッチに向け、日本代表DF谷口彰悟(アルラーヤン)が闘志を燃やしている。カタールW杯では初戦のドイツ戦こそ出番を得られなかったが、大一番が続いたスペイン戦とクロアチア戦でフル出場し、世界レベルで戦えるところを証明。前回のドイツ戦からひと回り大きくなった姿で再び挑めるチャンスが巡ってきた。

 6日の練習後、報道陣の取材に応じた谷口は「W杯を経て、自分の中でもすごく自信になった部分もあったし、より悔しい思いも感じられた大会だった。そこから約10か月くらい経って自分がどれだけ成長してきたか。僕は前回のドイツ戦に出ていないので、どれぐらいできるのかという楽しみな部分もある」と目を輝かせつつ、ドイツ戦に向けて「もしチャンスがもらえるのであれば本当に臆することなく、自分たち、そして自分自身もしっかりと自信を持って臨みたい。せっかくの機会なので消極的になるのではなく、積極的にやっていくことが大事かなと思っている」と意気込みを語った。

 カタールW杯のドイツ戦では、前半のボール支配率が17%にとどまったことが一つの反省点。後半にシステムを変えてマンツーマンに舵を切ったことで逆転につなげられたものの、フラットな状況では一方的にボールを握られてしまうという現実が浮き彫りとなっていた。もっとも森保ジャパンは第2次体制に入り、そうしたボール保持のクオリティー向上にトライ中。主にビルドアップの取り組みが中心になってはいるものの、ドイツ戦のような試合展開を繰り返さないためには、谷口が強みとする「クリアボールを味方につなげるスキル」が効果を発揮しそうだ。

 谷口自身もそうした強みがドイツ相手にはハマるというビジョンを持っている。

「ドイツは奪われた瞬間の切り替えで即時回収して二次攻撃、三次攻撃と繰り返してくるチームだし、そのクオリティがあるチーム。そういったところを1本のパスだったり、取った瞬間の味方につなぐパスとかで回避していくこと、なおかつ自分たちのカウンターやチャンスにつなげていくことが求められるレベルのところまできていると思う。そこは自分の持ち味、特長だとも思っている。そういうシーンがあればどんどんチャレンジしていきたいし、W杯でも感じたけど『やっぱりドイツは強いな』というのはそういうところにすごく表れてくる。そこ(相手の即時回収)をどう回避して、どう自分たちがチャンスにつなげていくかというのはだいぶイメージはできている。映像を見たりしているけど、ドイツにも隙はある。そこをどう狙っていくか、あと2日間でしっかりみんなで準備していきたい」

 とはいえそうした強みをドイツ戦で発揮するためには、まずはピッチの上に立つための戦いもある。今回の欧州遠征では第1次森保ジャパンで主力を担ったDF冨安健洋(アーセナル)が負傷から復帰し、第2次体制で4試合連続フル出場のDF板倉滉(ボルシアMG)とCBコンビを組む可能性が浮上。6月シリーズに引き続いて選出された谷口がアピールのチャンスを掴むためには、そこに割って入ることが求められる。

 それでも谷口は冷静さを崩さない。「もちろんトミが帰ってきたことによって、また争いは激しくなる。でも(冨安だけでなく日本代表には)質の高い選手たちが揃っているので、毎回競争なのは間違いない。そういった意味では自分のやるべきこと、常に目の前の試合に向けて準備するところは何も変わらない。もちろん出るか、出ないかはまだ分からないけど、いつ出てもいいような準備は常にやるつもりだし、これまでもやってきたので、今回もそういう感じで準備していこうかなと思う」。その心持ちはカタールW杯での出場時とまさに同じ。ドイツ戦でいきなり出番が訪れたとしても、これまでどおりのパフォーマンスが期待できそうだ。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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