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W杯ドイツ戦はテレビで見ていたDF菅原由勢、ピッチでの再戦へ「高ぶらない理由はない」

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日本代表DF菅原由勢(AZ)

 2026年の北中米W杯を目指す第2次森保ジャパンにとって、最初のターニングポイントになり得る試合がやってきた。カタールW杯落選を経て3年後を目指す日本代表DF菅原由勢(AZ)は「自分の現在地を測れる試合になるという位置付けもあると感じている。マッチアップする選手もそうだし、相手がドイツ代表ということで自分としても楽しみな試合」と意気込みを語った。

 コロナ禍に行われた2020年10月の欧州遠征でA代表初招集を果たした菅原は、その遠征初戦のカメルーン戦(△0-0)の終盤にA代表デビュー。しかし、翌年夏の東京五輪で落選を経験すると、22年夏にA代表復帰を果たすも負傷の影響でプレーできず、昨年末のカタールW杯でもメンバー入りを逃す苦しい代表生活を過ごしてきた。

 それでも今年3月、第2次森保ジャパン発足とともにA代表に復帰すると、ここまで4試合連続で先発出場。右サイドバックではDF酒井宏樹(浦和)、DF山根視来(川崎F)らカタールW杯組が代表から離れている中、3年後の北中米W杯に向けてファーストチョイスと言える存在となりつつある。

 そうして迎えるドイツ戦。日本代表としてはカタールW杯グループリーグ初戦で歴史的勝利を飾った相手だが、菅原にとっては貴重な世界的強豪との対決で、真価を問われる一戦となる。

 菅原は「W杯はテレビで見ていたので、そこにいられなかった悔しさもあるし、現実、今、目の前にドイツ代表とやれるチャンスがあるので、高ぶらない理由はない」と闘志全開。「あそこで日本代表はしっかり勝ったので、(選手が)入れ替わったから負けましたではなく、入れ替わっても勝てるんだということで、勝負にこだわってやれたらと思う。ドイツもかなり気合が入っているみたいなのでそれに負けないようにやりたい」と力を込めた。

 19年6月に当時18歳にしてJリーグを離れて以降、菅原はオランダの強豪AZでエールディビジ100試合以上に出場。UEFAヨーロッパリーグなど欧州カップ戦も経験し、欧州で多くの実績を積み重ねてきた。それでもFWセルジュ・ニャブリ、FWレロイ・サネらドイツ代表選手との対峙には「失うものはない」と捉えているという。

「言い方は良くないかもしれないけど、向こうはバイエルンとか世界のトップでやっている中で、僕の名前を知らない人のほうが大多数で、正直失うものはないというか、負けても自分がそのレベルになかったっていうだけの話で、自分が成長すればいいだけの話で、止めたら止めたで自信になると思う。1対1になったら本当に全力で止めに行きたいし、ニャブリだからとかじゃなく1人の攻撃の選手としてどうやって止めにいくか。ネームバリューなどあるとは思うけど、そんなのピッチに立ったら関係ないと思うので、全力で止めに行きたいと思います」

 また攻撃面では「右サイドにはイナズマさん(MF伊東純也)がいるんで、そこはもうイナズマしてもらえればいいと思うのでサポートしていけたら」「左サイドは世界の三笘選手がいるんで、そこにボールを運んで(右SB起用が想定されるヨシュア・)キミッヒを倒してもらえれば」とユニークな表現でウインガーをサポートしていく構え。「チーム全体として自分たちのやりたいことをトライしようという準備をしているので、それをしっかり出せるようにやれたら」と展望を述べた。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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