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U-22日本代表デビューのチーム最年少19歳高井幸大、序盤は緊張も…初実戦で「コミュニケーション取れてきた」

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DF高井幸大

[9.9 U23アジア杯予選GL第2戦 日本1-0パレスチナ マナーマ]

 初めてのパリ五輪出場につながる戦いに、最初は緊張感もあったという。DF高井幸大(川崎F)は大岩剛監督体制のU-22日本代表でデビュー。完封勝利に貢献し、「比較的落ち着いてゲームできた」と振り返った。

 今年はU-20日本代表として3月にU-20アジアカップ、5月にU-20ワールドカップを戦った高井。世界との戦いはグループリーグ敗退という悔しい結果に終わったが、今度は“パリ五輪世代”として再び世界を目指す戦いに加わった。

 U-20世代からはMF松木玖生、DF中野伸哉も一緒に加わったが、松木は大岩監督体制で戦った経験があり、中野は過去の世代別代表で飛び級でU-22日本代表メンバーとともにしている。高井のみ、今回のチームで実戦をともにするのは初めて。「とても緊張感のある試合で、最初のほうはちょっとミスもあった」と試合に入ったときの思いを素直に打ち明けた。

 それでも、緊張は最初だけだ。「ファーストプレーでボールを触ってからは大丈夫でした」。曖昧なプレーは徐々に鳴りを潜め、ボール保持時には高井がビルドアップの起点になる。そして、前半23分にゴールへの流れを生んだ。相手の4-4-2のブロックのわずかな隙間を見つけ、狙いすまして縦パス。「相手の2列目と3列目の間がすごく空いてた」。そのスペースに入ったMF山本理仁がパスを受け、再び縦にパスをつける。MF小田裕太郎の折り返しを藤尾翔太が沈め、先制点を奪った。

 先制後も相手のブロックに停滞させられた日本は、追加点を奪えないまま1-0で試合終了。高井は攻撃では前半21分に山本の左CKを強烈なヘディングシュートで合わせ、チャンスを作った。その一方、ビルドアップでは先制点以外で決定機につなげられず。「相手がブロックを組む中でそこに差し込むのは難しい。もう少し意図的に相手を動かすようにボールを握れば、もっといい展開になった」と課題を挙げた。

 守備面では完封勝利に手応えを掴みつつ、数度陥った自陣でのピンチを振り返る。「ディフェンスのシャットアウトするところ、何もやらせないというところはもっと大事になってくる。きょうも何本かシュートを取りましたし、そこはもっと直していかないといけない」と鉄壁を築く構えだ。

 チーム合流日の4日に誕生日を迎えたチーム最年少の19歳は、今回の試合でまず慣れを手にした。「今日の試合でけっこうコミュニケーションを取れて、どういう選手なのかよりわかってきた。すごくいい関係性になってきているので、そこも高めていければ」と連係の熟成にも前向きだ。今年4月に川崎フロンターレでJ1デビューした192cmの大器は、少しの成長痛とともに、さらなる伸びしろをのぞかせている。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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