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5バック化起用でドイツ封じた谷口彰悟「フッと気を抜く瞬間は1秒たりともなかった」

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DF谷口彰悟(アルラーヤン)

[9.9 国際親善試合 日本 4-1 ドイツ ボルフスブルク]

 日本代表が2-1でリードして迎えた後半14分、森保一監督は4-2-3-1から3-4-2-1にシステムを変更し、早い段階から逃げ切りを意識した策を打ち出した。そこで投入されたのはDF谷口彰悟(アルラーヤン)。カタールW杯でも価値を示した31歳はそれまで絶大な安定感を誇っていたDF板倉滉(ボルシアMG)とDF冨安健洋(アーセナル)のCBコンビにさらなる強度を加え、守勢の中でも新たな失点を許さなかった。

 試合後、谷口は「この試合に対する思いというのはすごい強い思いでみんな臨んでいたし、ドイツと完全アウェーの地で戦えるというこの機会を無駄にしたくなかった」とこの一戦に向けた覚悟を吐露。「早い段階で僕もピッチに立つことができたけど、みんな疲弊していたし、自分が入ったからにはラインコントロールやどこからプレスをかけていくのかをもう一回整えながら、最少失点で締めるというのが僕の仕事の一つで意識してやった。何個か危ないシーンもあったけど、みんなで最後に身体を張って守れていたので本当に良かった」と胸を張った。

 守備時は5バックになって低い位置にブロックを敷く形を強いられることもあったが、そのたびに一糸乱れぬラインコントロールで押し上げにトライ。またドイツのクロス攻勢を浴びる時間帯では、高い集中力でボールを遠くに蹴り出し、陣形を整える時間を粘り強く作り出していた。

「どうしても怖がるとズルズル引きがちだけど、それでもできるだけ自分たちのゴールから遠ざけて守備をしたい思いは強いので、休む時間は全然なかったし、フッと気を抜く瞬間は本当に1秒たりともなかった。僕は40分弱だったけど90分出た選手は相当頭が疲れたと思う。それくらいシビれる相手だったし、途中からCBの真ん中に入るのは難しいところもあるけど、周りとしっかり目を合わせてコントロールできたと思う」(谷口)

 カタールW杯のスペイン戦で急遽出番を掴み、続くクロアチア戦でも安定したパフォーマンスを発揮した男は、W杯で出場機会のなかったドイツをも封殺。最後は「この結果に満足することなく、まだまだ僕らは世界のトップ10だったり、W杯優勝を目標に掲げているわけで、もっと勝つ確率、強豪国でも勝つ確率を上げていくっていうのは、全員でやっていかないといけない。そういった意味では今日の結果はすごく良かったけど、また次というところに進んでいかないといけない」と決意も語り、3年後への期待感をのぞかせた。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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