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24歳最後の夜にドイツ撃破弾も田中碧「ゴールじゃないもので何ができるかが大事」25歳の抱負は…

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日本代表MF田中碧(デュッセルドルフ)

 日本代表MF田中碧(デュッセルドルフ)が25歳の誕生日を迎えた10日、トレーニング後に報道陣の取材に応じ、「怪我なく1年サッカーしたいなというのがある。25歳ともう若くはないけど、若い時の気持ちを忘れず、年齢にとらわれずにサッカーをしたい」と抱負を語った。

 24歳を上々の形で締めくくった。現地ドイツ時間9日夜に行われた国際親善試合のドイツ戦、後半30分から途中出場した田中は同アディショナルタイム2分、MF久保建英からのクロスをヘディングで押し込みダメ押しゴール。試合後には「代表戦で決めるのはチームとはまた別で、貴重なゴールにはなるとは思う」と喜びを口にした。

 しかし、充実感は大きなものではなかったという。投入直後には相手の鋭いプレッシャーを受けてボールロストし、「途中から入った時にゲームに入っていくのが重要だし、そこのクオリティーを上げていかないといけない」という課題を認識。またドイツと互角以上に渡り合うチームメートの奮闘を見ながら力不足を感じていたという。

「ゴールというものの価値の高さは分かっているけど、僕はポジションがFWなわけでもないので、ゴールじゃないもので何ができるかが大事だと思う。もちろんゴールを取れるのが大事だけど、それ以上にゲームコントロールだったり、ボールを奪う作業ができた時により良い選手になれる。より自分自身の成長に目を向けてやれれば」(田中)

 昨年末のカタールW杯ではスペイン相手に決勝ゴールを決め、グループリーグ突破に大きく貢献。それでも現在、日本代表ボランチのレギュラー争いではMF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田英正(スポルティング)に差をつけられている。とはいえ、自身の個性を2人と比べるつもりはない。強みを磨き上げながら日々のトレーニングでレベルアップしていく構えだ。

「自分の武器としては動き回ってゲームを作るタイプだと思っているので、自分がボールを触る回数だったり、動いてリズムをつけたり、出て行ったり、奪いに行く作業もそう。ポジションに囚われないというと語弊があるけど、広範囲に動いてプレーする機会を増やしていくことが必要だと思う」(田中)

 ドイツ戦から中2日で行われる12日のキリンチャレンジカップ・トルコ戦は、そうしたアピールの格好の舞台。心機一転、25歳の初陣に向けて「勝つことが一番。そこに対して自分のやれることを出すのが一番大事だと思うので、それに向けてしっかり準備をできれば」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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