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アジア大会4強へのPK決勝弾…名乗り挙げたU-22日本代表MF松村優太、自らを支えた“伝説の選手権”の記憶

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MF松村優太 ※写真は過去のもの

[10.1 アジア大会準々決勝 U-22日本 2-1 北朝鮮 杭州]

「じゃあ自分が蹴ろう」

 アジア大会準々決勝、U-24北朝鮮代表戦。1-1で迎えた後半35分のPKチャンス。緊張感しかなさそうなこの場面で、MF松村優太(鹿島)はPKキッカーに名乗りをあげていた。

 PKのキッカーはその場の選手間の話し合いに任せるスタイルの指揮官もいるが、大岩剛監督の場合は事前指名制である。試合前のミーティングでPKキッカーに選ばれていたのは、MF谷内田哲平(京都)と佐藤恵允(ブレーメン)の二人だった。

 ところがこの時点で谷内田は交代済みで、「佐藤も『足がつっているから蹴れない』と言ってきた」(松村)。さらにPKを奪った西川潤(鳥栖)は転倒して痛めている様子だったので、「じゃあ蹴るか」と名乗り出た。

「以前にも大舞台でこういうPKを決めたことはあったんで」

 その松村の言葉で思い出したのは第98回全国高校サッカー選手権大会準決勝。矢板中央高戦だ。0-0のまま後半アディショナルタイムとなった状況で松村の所属していた静岡学園高にPKのビッグチャンス。外せばPK戦突入必至という状況で、見事に決め切ってみせた。

 その後はYoutuberの挨拶として各方面でマネをする人が続出している「ひき肉です!」のゴールパフォーマンスを佐藤と披露。

「流行ってたので。一つの余興だと思っていただければ……」(松村)

 試合を通じて守備にも奔走しつつ、終盤は体を張って時間を使うプレーも披露。決勝点に加えて献身的なプレーでも4強進出を引き寄せる働きぶりだった。

(取材・文 川端暁彦)


●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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