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J1未経験、ドイツ2部からのA代表初招集…練習初合流の奥抜侃志「こんなに早くここまで来れるとは」

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A代表初招集で全体練習に初合流したMF奥抜侃志

 試合前日の全体練習合流でも17日のチュニジア戦(ノエスタ)出場に意欲を見せた。追加招集で日本代表に初選出されたMF奥抜侃志(ニュルンベルク)だが、帰国後に発熱し、チームが新潟にいる間も千葉市内のホテルで療養し、13日のカナダ戦(○4-1)もホテルのテレビで観戦。前日15日に神戸でようやくチームに合流し、この日、全体練習に初めて参加した。

「プレーしたいなと思ったけど、焦らず体調を治すことを優先した。しっかり(練習に)加わったのは今日が初めてで、今日もそこまで強度の高い練習ではなかったけど、止める・蹴るの部分は今までやってきた中でもトップレベルですごいなと思った」

 練習冒頭のボール回しではMF久保建英やMF南野拓実らと同じグループに入った。全体練習後には居残りで体も動かしたそうで、「しっかりコンディションを上げて試合に絡めるようにしたい」と意気込んだ。

 大宮の下部組織出身で、18年にトップチームに昇格。22年夏にポーランドのグールニク・ザブジェに期限付き移籍すると、今年6月、ドイツ2部のニュルンベルクに完全移籍することが発表された。ブンデスリーガ2部ではここまで開幕から全9試合に出場し、2ゴール。左サイドでのプレーが評価され、体調不良で参加を辞退したMF三笘薫に代わって追加招集された。

「こんなに早くここまで来れるとは想像していなかった」。J1でのプレーが未経験のままA代表に初招集された奥抜は「日本にいたときはカットインが多かったけど、今は縦の突破が特徴になっている」と、自身の変化を語る。

「(海外移籍して)最初、カットインしようとしたら下のピッチが良くなくて、踏み込んでカットインできないなと思って、自分のスピードをもっと生かしてみようと(縦の突破に)チャレンジしたら武器になった」

 中へのカットインと縦の突破という2つのパターンを持つことで守備側の対応も難しくなる。森保一監督も「左サイドを起点に、そこから縦に仕掛ける、あるいは中に切り込んでのシュートと、ゴールに向かってプレーするところが彼の良さ。プレーする機会があればそういったプレーをしてもらいたい」と期待を寄せる。

「全員と挨拶して、話もできた。自分のプレーも早い段階で知ってもらわないといけない」と積極的にチームメイトとコミュニケーションを取る奥抜は「自分の特徴は裏に抜けるところと(ボールを)持ったときのドリブル。サイドバックとも話していきたい」と意欲的だった。

 左サイドは三笘の不参加に続き、MF中村敬斗もカナダ戦で負傷交代し、チュニジア戦は欠場の見通し。森保監督はMF旗手怜央の先発を示唆したが、状況によっては奥抜にもチャンスが訪れるはず。「三笘選手とか良い選手がいっぱいいる。彼らとかぶらない特徴を出していければ、生き残っていけるのかなと思う」と、左サイドハーフのポジション争いに食い込んでいくためのアピールを誓った。

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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