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GK鈴木彩艶、チュニジア戦で1年3か月ぶり代表戦出場へ「確実に自分自身は成長している」

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日本代表GK鈴木彩艶(シントトロイデン)

 出場すれば昨年7月19日のEAFF E-1選手権・香港戦(○6-0)以来、1年3か月ぶりの国際Aマッチとなるチュニジア戦を、今後の代表キャリアの本格スタートとするつもりだ。

 チュニジア戦の前日会見で森保一監督から「(鈴木)彩艶にスタートから出て貰おうかと思っている」と先発に指名された日本代表GK鈴木彩艶(シントトロイデン)が取材に応じ、「E-1の時よりも確実に自分自身は成長していると思っている。試合勘がレベルアップできたので、ゲームの中で落ち着き、安定感を出す部分では成長していると思う」と堂々たる口調で語った。

 小学5年生から過ごした浦和を離れ、ベルギーリーグのシントトロイデンに移籍したのは8月だった。移籍から約2週間後の8月27日、セルクル・ブルージュ戦でベルギーデビュー。その後は6試合連続でリーグ戦に出場している。

 カップ戦など限られた出番しかなかった浦和時代と打って変わり、「自チームで継続して試合に出ている中での代表のゲームなので、自信を持ってプレーできる」と胸を張った。

 ただし、「E1の時よりも相手のレベルが高い」(鈴木)と見ているように、チュニジアは昨年6月14日のキリンチャレンジで日本が0-3で完敗を喫している相手。それでも、「前回は日本が敗れているので、そこはしっかりと自分自身のプレーを発揮できるように良い準備していきたい」と勝利を呼び込むプレーをイメージする。

 具体的に考えているプレーは日本のDFラインの背後のスペースのケアとクロスへの対応、そしてキックからのチャンスメークだ。

「(チュニジアは)全体的にカナダよりも身長が高く、(G大阪でプレーする)ジェバリ選手をはじめとして前に速い選手がいるという特徴があるので、スペースのカバーの準備をしていきたい」「(相手の)身長が大きくなるにつれてクロスも多くなってくるので、そういったところで自分の強みを出していきたい」「得意のキックからチャンスをつくりたい」と語るように、良さを出して存在感をアピールするための形もイメージしている。

 一方で、シントトロイデンで正GKのポジションを手にしたとはいえ、直近のロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ戦で0-4の敗戦を喫するなど、出場6試合は1勝3分け2敗。「試合数も少ないし、試合の結果はまだまだ出ていないので、現状に満足はしていない。代表で生き残るためには、自分のプレーをもっと出していかなければならないので、明日のゲームは大事になる」と足元をしっかり見つめている。

 GK大迫敬介が先発したカナダ戦はベンチから試合を見ながら、PK献上やPKストップというプレー面よりも、メンタル面に注目した。

「あそこで自分自身がPKを与えてしまったら、いかにメンタルを保ってプレーするか。その観点で大迫選手はメンタルを保ってセーブしていた。キーパーにとっては1試合を通したメンタリティの部分が大事だと思う」と見解を述べた鈴木。まずはチュニジア戦で90分を通じた安定感を見せ、指揮官やチームメートからの信頼を得たい。

(取材・文 矢内由美子)
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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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