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アジア最優秀GKの実力を世界で披露。GK後藤亘(FC東京U-18)「次も絶対にゼロで」

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GK後藤亘(FC東京U-18)は完封勝利に貢献した

 アジア最優秀GKの実力を世界に披露する試合となった。

 U-17ワールドカップの初戦は欧州選手権4強の強豪、U-17ポーランド代表との対戦。大会前から「本当に楽しみ」と語っていたGK後藤亘(FC東京U-18)にとって、自分の力量を試す晴れ舞台だった。

 GK泣かせの雨模様、体躯に恵まれた相手選手との競り合い、そして前半は日本側が良いリズムを掴めず、相手ペースで試合を運ばれてしまう戦況と、難しいシチュエーションの続く試合となったが、「まずやるべきこと、練習で取り組んだことをしっかりやることを意識していた」と精神的にもブレることなく対応。ゼロ封での勝利というGKとして最高のスタートを切った。

 開始早々の8分にはパントキックからFW井上愛簾(広島ユース)を走らせてあわやアシストかという場面も作るなど、課題として取り組んできたロングキックで魅せる場面も。ミスもあったが、チャレンジする姿勢を貫き、ボールを受ける動きが乏しくビルドアップに苦しんだ前半から意欲的なプレーを披露。データ的にもラインブレーク試行数50回は、両チーム通じて最多である。

 もちろん“本業”とも言うべき守備でも実力を発揮。特に警戒していたセットプレーへの対応でも存在感を見せ、「クロスへの対応を含めて練習からやってきたことを出せた」と手応えを掴んだ。

 試合を通じて最大の見せ場は1-0とリードを奪ってからの後半アディショナルタイムに迎えた大ピンチの場面だが、ここでも落ち着いてセーブ。「ポーランドがマイナスのクロスからシュートを打ってくることは事前に情報としてあったので、高橋範夫GKコーチや他のGKたちと練習からしっかり準備しておいたことを試合でも出せた」と、あらかじめ想定していたシチュエーションだったことも明かした。

 一夜明けた12日には、トレーニング終了後に現地のインドネシア・バンドンにある日本人学校の生徒、関係者との交流会に参加。「子どもたちと一緒に過ごして自分が楽しませてもらった。めちゃくちゃパワーをもらえました」と英気も充填。14日に行われるU-17アルゼンチン代表との試合に向けては、「次も絶対にゼロでいきたいので、しっかり良い準備を進めていきたい」と改めて闘志を燃やしていた。

(取材・文 川端暁彦)

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川端暁彦
Text by 川端暁彦

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